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高橋知事にとって任期最後の政策予算編成となるため、道政与党の道連としても公約達成にも言及 |
自民党道連は1月25日午前、道庁の知事会議室で平成18年度当初予算案について、橋本聖子会長、伊藤条一幹事長、石井孝一政調会長の連名で申し入れをしました。道連側から石井孝一政調会長、小池昌総務会長、高橋定敏道議会自民党・道民会議議員会長、瀬能晃同筆頭副会長、田渕洋一同副会長、加藤礼一同幹事長、これに対し道側から高橋はるみ知事、吉澤慶信副知事、原田淳志総務部長らが出席しました。
申し入れは、「知事の任期最後の政策予算となるが、道財政はかつてない危機に直面している。知事は徹底した道庁改革を行い、財政危機を何としても乗り越えるとともに、本道経済活性化のために必要な施策については、選択と集中の視点に立って、『財政再建と経済再建の両立』を図り、公約である『夢と希望あふれる北海道づくり』に向けて、まい進してほしい」とした上で、17項目の申し入れ書を石井政調会長から高橋知事に手渡しました。
この際、道連側出席者からそれぞれスーパーコンピューターの北海道誘致促進、雪害対策の強化、住民互助・共助の街づくり推進、自信を持って展開できる魅力ある北方領土返還運動の推進、道産米の東京進出の検討、台湾での観光PRの強化などを訴えました。
こうした申し入れに対して、高橋知事は、「申し入れの趣旨をしっかり受け止め、知恵と工夫でメリハリをつけた予算を編成し、公約実現に向けて努力したい」と答えていました。
申し入れ事項は次の通りです。
一、この度の大雪被害について、速やかに実態を把握し、対策の急がれるものについては、平成十七年度補正予算での対応も含め適切に対処すること。
一、持続可能な財政構造を確立するため、歳入確保と併せて行財政改革にスピードをもって取り組むとともに、経済再建のための施策に財源を重点配分し、「財政再建と経済再建の両立」を図ること。
一、IT・バイオ・ものづくり産業の育成に重点的に取り組むとともに、意欲ある中小企業への支援の強化、新産業の創出や誘致、人材の育成、雇用の拡大など経済再建を加速的に進めること。また、中心市街地の活性化を進めること。
一、本道産業の基幹となる農林漁業の基盤整備を進めるとともに、担い手の育成に力を入れること。また、食の安全・安心、ブランド化を進めるとともに、地産地消の推進に取り組むこと。
一、世界の宝である知床世界自然遺産の保全に取り組むとともに、環境教育の推進、バイオマス資源の利活用、環境リサイクル産業の育成など循環型社会の形成を進めること。
一、わが国はもとより、世界に誇れる観光北海道を実現するため、観光戦略を確立し、観光のブランド化を進め、道内外はもとより外国からの観光旅客の拡大を図ること。
一、産学官の連携を強化し、リサーチ&ビジネスパーク事業の全道展開を図るなど知的財産戦略を推進すること。また、次世代スーパーコンピューター施設の誘致に取り組むこと。
一、安全安心な北海道をつくるため、治安・防災・耐震・交通安全対策の強化やアスベスト対策に取り組むこと。特に、子どもたちの通学路の安全確保に力を入れること。
一、子育て支援をはじめとする少子化対策や高齢者・障害者の自立支援を進めるとともに、地域医療の確保に取り組むこと。
一、未来の北海道を支える人材を育成するため、青少年の健全育成を図るとと
もに、魅力ある学校づくりや私学振興など教育施策の充実を図ること。
一、北海道にとってかけがえのないアイヌ文化の伝承・保存、振興に取り組むこと。また、北方領土対策に力を入れること。
一、北海道新幹線、高規格道路整備など、本道経済活性化にとって真に必要な社会資本の整備を進めるとともに、適切な維持管理に努めること。
一、北海道の特性を生かし、ロシアサハリン州や東アジア、オーストラリアなどとの国際交流を深めること。
一、道州制特区や基礎自治体の役割強化など、真の地方分権を確立するため、地域主権の取り組みを進めるとともに、地方交付税を始めとした地方の独自財源の確保について、全国知事会と共同し国に働きかけること。
一、肥大化した道庁組織や関与団体を徹底的に見直し、民間開放を進め、「小さいが逞しい道庁」を確立するとともに、職員給与の適正化を図るなど行政改革を断行すること。また、行財政改革の推進に当たっては、広く民間有識者の意見を取り入れるとともに、NPOなどと連携した「新しい公共空間づくり」に取り組むこと。
一、わが党は、道政与党として、知事を支え、赤字再建団体転落の危機を共に乗り越えようと、今後の行財政改革において検討すべき事項として六十七項目、二百二十事項について取りまとめ、昨年十一月二十四日知事に提出したところである。これらは当面の課題であるとともに持続可能な財政構造を確立する上で取り組まなければならないものであり、その実現を図ること。
一、わが党には、各種団体等から、平成十八年度道予算に向けて多くの要望が寄せられており、その実現に努めているが、知事においても、適切に対処すること。また、各開発期成会から寄せられている地域要望についても、適切な措置を講ずること。
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