伝統、文化、歴史を大切に日本らしい国家を

「新憲法」に道民の熱い期待

全国トップ、札幌で「新憲法―国民の声を聞く集い」開催



開会の挨拶をする橋本聖子道連会長
 自民党新憲法制定推進本部(本部長・小泉純一郎総裁)主催の「新憲法―国民の声を聞く集い」が七月十五日午後、札幌パークホテルで開かれ、全国十カ所で開催を予定している憲法タウンミーティングのスタートを切りました。この集いの模様は、インターネットの自民党ホームページを通じて全国、全世界に生中継されました。
 自民党は本年十一月十五日に歴史の節目となる立党五十周年を迎えますが、それまでにわが党の新憲法草案をまとめ公表する段取りになっています。すでに起草委員会の要綱・第一次素案も示され、具体的な条文化作業に着手しますが、同時に幅広く国民各階各層の意見を聞くため、新憲法制定に向けた立党五十年記念事業として、この憲法タウンミーティングを企画したものです。

開党を代表して挨拶する武部勤幹事長
 この日は、全道から党員、党友のほか地方自治体の首長、議会議員、それに公募した一般道民ら約五千人が参加、わが党が目指す新憲法に対する関心の高さを示し、会場から人があふれ、急きょ別室を設けテレビモニターを用意するほど熱気に包まれました。
 開会に先立ち新憲法制定作業に関するビデオが上映されたあと、橋本聖子自民党道連会長が、「集いの第一弾が北海道で開催され、新しい国の形・姿・国柄をまず北海道から発信できるのがうれしい。道産子の熱い思いをぜひ新憲法に反映させたい」と挨拶、武部勤幹事長(新憲法制定推進本部長代行)は「私たちは長年、国民の主体性に基づいて日本の新しい国のカタチ、将来の方向を新しい憲法に表したいという願いを抱いてきた」と、新憲法制定がわが党の立党以来の党是であることを強調しました。さらに、明治憲法起草に当たり、調査のため欧州へ渡った先人のエピソードを紹介しながら、「明治維新の新しい国づくりに情熱を傾けた先達の情熱に学び、新しい憲法制定に向けて努力していきたい」と決意を述べました。

基調講演の中曽根康弘元総理
(詳しくはこちらから)
 続く第一部で中曽根康弘元総理が基調講演(要旨別掲)を行い、次いで新憲法起草委員会事務総長の与謝野馨政務調査基調が、「起草委員会要綱・第一次素案について説明しました。
 第二部のパネルディスカッションでは,舛添要一参議院議員(新憲法起草委員会事務局次長)をコーディネーター、与謝野馨党政務調査会長(新憲法起草委員会事務総長)、評論家上坂冬子さん、八木秀次高崎経済大学助教授をパネラーとして討論を交わしました。

コーディネーターの舛添要一参議

パネラーの与謝野馨政調会長
 まず「なぜ今、憲法改正が必要か」との舛添コーディネーターの問いに対して、上坂氏は、「占領下で作られた憲法だから」ときっぱり言い切り、「たった八日間で作った英語のものを訳しただけの憲法が、日本の憲法であるはずがない」と、制定の経緯について問題を提起しました。

パネラーの上坂冬子氏

パネラーの八木秀次氏
 八木助教授は、「現行憲法は、特に安全保障面では冷戦が始まる前の米国の世界戦略を反映したもの」とし、「湾岸戦争以来、そして近年の北朝鮮による脅威で国民の意識は変化している」と憲法改正の必要性を訴えました。
 与謝野政調会長は、「第九条第二項は国民に多くの誤解と混乱を与えている」とし、自衛隊を憲法上明確に位置づけるべきとの認識を示しました。また、「現行憲法は基本的人権や司法制度などで優れた点もあるが、英語で読んだ方が分かりやすい条文もあり、戦後の混乱期に作られてものだ」として、「独立した国家として自立心を持って自主憲法を作るという五十年前の立党の原点に立ち返ることが新憲法の制定である」と延べ、国民の手で新しい憲法を制定する意義を示した。
 憲法改正論議で注目される自衛権については、与謝野政調会長が「自衛権を確実なものにするため」について解説したあと、舛添コーディネーターが「自衛権については『自衛軍』と明確に位置づける。英語では『Armed Foeces』となる」と説明を加えました。
 このほか上坂氏は「家族保護の規定をぜひ設けてほしい」と家族の価値を重視するよう求めた。八木助教授からは「自民党案は現行の『象徴天皇』維持だが、なぜ立憲君主制を打ち出さないのか。『元首』と規定しても、実態は変わらないのではないか」と意見を述べました。
 今後の草案策定作業について、与謝野政調会長は「今月末をめどに条文のたたき台を作り、さらに党内論議を進めながら少しずつ完成度を高めていく」との考えを示しました。また、「憲法改正のキーワードは、三分の二を国会の中でどう取るかにある」とし、国会発議に向け他党との話し合いの必要性を強調しつつも、「まず自民党の考え方を国民に示すことが大切」と述べました。
 白熱した論議の中で、八木助教授は「すごい熱気に驚いた。自民党が本気になるとすごい」と感嘆する場面もありました。

会場から活発な意見が出された
 このあと、会場から五人の参加者が意見を発表、「新憲法の制定は遅きに失した。憲法改正の議員発議を現状の三分の二から過半数に改め、改正を容易にするべきだ」「前文には日本人としての誇りや自信、愛国心が持てるものとし、日本が日本人のために毅然として国益を追求できるものにしてほしい」「自衛隊は北海道に多く駐屯しており災害派遣などで頼もしい存在。防衛力としてきちんと『軍』と明記すべきだと思う」「伝統、文化、歴史など日本人が日本人たるゆえんをしっかり新憲法でうたってほしい」などの熱心な注文が出され、日本らしい誇りを持てる品格ある国柄を、新憲法によって作り上げることの重要性を確認した。





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