伊藤哲夫氏、山谷えり子氏を招いて
「日本の教育改革を志す北海道フォーラム」開催

 自民党道連主催の「日本の教育改革を志す北海道フォーラム」が6月4日開かれました。
 戦後60年、空前の経済的な繁栄と反比例するように表面化した心の荒廃とモラルや倫理の崩壊、また近隣諸国との関係では国家としての尊厳や国益が脅かされる問題が横たわり、まさに難問山積のなか、道連は、党の方針に沿い、今年度の活動方針の第1に、自民党らしさの追求と保守理念の再構築を据えています。教育、北方領土など、いわば戦後の宿題に対し、本質を見つめ直し、他党とのスタンスの違いを明確にして道民にアピールし、自民党らしさを前面に打ち出そうとしていますが、フォーラムは、その第1弾、党道連立党50周年記念事業の1つとして企画されました。
講師陣もこの主旨にもっともふさわしい2人、日本のよい伝統を守り、日本の国の「再建」をと、国政の場や言論活動で強く訴えてきた伊藤哲夫日本政策研究センター所長と山谷えり子自民党参議院議員を招きました。会場のホテル札幌ガーデンパレスには、500人が集まり、メモを取る人もいて、今日の教育に対する危機意識と、関心の深さがうかがわれました。
 月刊オピニオン誌「明日への選択」の主宰者であり、国家的な問題提起や政策提言を行っている伊藤氏のテーマは「危機日本への提言」で、中国や韓国の真の姿や、偏った歴史教科書の問題が語られました。
 豊富な人脈や情報を基にして語られた中国の実態では、米国議会の公聴会で、ある学者が、「中国政府が、『国民』『人民』という言葉を使う時は、それ自体が政治的用語である」と述懐したことなどを紹介、先に、小泉首相の靖国神社参拝にからんで反日デモが起きましたが、デモが自由にできる国ではなく、公安部などが誘導したものだといった話が出ました。またある大使経験者の言葉として「外交の場においては、誠意は100パーセント通じない。それゆえに外交は必要だ」と語ったことも紹介、誠意を持って話せばわかるという考えは日本人の中では通じても、国際社会では通用しない。その現実をしっかりとらえなければ、国際社会の中で、日本の国益を守ることはできないと訴えました。
 歴史教科書問題では、暗黒裁判と言われた東京裁判ですら否定されたデタラメな「田中上奏文」(田中義一首相が天皇に上奏したとされる文)を基に、中国教科書が、日本の侵略計画なるものを事実としていることや、当時の人口が20万人だった南京で、30万人の虐殺があったなどと、とてもありえないことが記され、中国兵が死んだことが、いつの間にか「市民が殺され」になり、最近では「女、子供がレイプされ」に変化して、日本の恨みと怒りを買う内容になっていることを話しました。そして日本の教科書がまた、それらに同感の思いを持って書かれていると言わざるを得ず、こういう教科書で学ぶ子供の影響について、みんなが考えてほしいと力説しました。
 2人目の講演者、山谷えり子参議院議員は、先の予算委員会で、小学1〜2年生の副読本などを実際に提示して、過激な内容の性教育の実態を明らかにし、首相から「これはひどい、中央教育審議会で取り上げる」との約束を引き出した人物です。
「家族、教育、国なおし」と題した話は、まずその時に取り上げた、おかしな内容の教科書や教室で行われている目に余る教育の実例を掲げ、「見知らぬ人とセックスするのは本人の自由」と考える中、高校生が68パーセントにまでなる状況も、こうした興味本位な教育の結果だと話しました。
異常ぶりはまだまだ広範囲にわたっており、ジェンダーフリーを目指すとして、騎馬戦で男の子の上に女の子が乗る、祖母は家族の一員でないといわんばかりの内容の家庭科ならぬ「家庭崩壊科」教科書なども。教室が密室化され、実態調査がなかなかやり難く、正常化が図り難い状況にあることを説明し、これと対比して、70年代に今日の日本と同じような状況にあったイギリスで、英断を振るったサッチャーの教育改革を熱く語りました。
 後段で山谷氏は「国民は記憶の糸でつながっていく」というリンカーンの言葉を紹介しながら、おばあちゃんと孫が同じ歌を歌えなくなっているような今の家庭、教育を変えなければ、国がダメになってしまうと訴えました。
 





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