再選の橋本聖子会長が活動に新機軸を表明

19年の政治決戦に向けて近く選挙対策本部の設置も
 立党50年盛り上がった自民党道連第63回定期大会



新役を代表して挨拶する橋本聖子会長
 自民党道連の第63回定期大会が4月16日、札幌グランドホテルで開かれ、全道から1200人の代議員や各級議員、来賓らが出席、平成17年度活動方針案、任期満了に伴う役員選考などを原案通り承認・決定し、閉会しました。会長には橋本聖子参議を再選、新幹事長には伊藤条一道議を選出、立党50年を記念した特別講演会やビデオ上映なども行われ、歴史の節目を彩りました。
開会に先立ち、立党50年のビデオが流され、保守道政を奪還した町村金五、これを継承した堂垣内尚弘、20年ぶりに自民党主導の道政を復活した高橋はるみ知事らの登場に、時代の変遷を感じつつ、本間勲同大会準備委員長が開会あいさつ。国歌・党歌斉唱のあと、今津寛衆議ら議長団を選出しました。
続いて、橋本聖子会長が、「立党50年の節目の大会であり感激がいっぱい。転換期であり、豊かな発想力、創造力が試される。今こそ政治、道連が先頭を切って、道民の信頼を得て、たくましい道連をつくっていくことが、次代を担う子どもたちの素晴らしい北海道を引き渡していけることにつながっていくと思う」とあいさつしました。
次いで、来賓の武部勤自民党幹事長、風間昶公明党北海道方面議長、高橋はるみ知事、高向巌日本商工連盟北海道連合会会長、中川昭一経済産業大臣が登壇.立党半世紀、郵政民営化、中国とのトラブルなどをめぐる政局、北海道の経済情勢を交え、祝辞を述べました。
大会アピールを力強く朗読する中村裕之道義
 武部幹事長は、「幹事長となり三カ月持つかと言われ、半年が過ぎたが、郷土の皆さまのお陰。北海道新幹線の着工式が5月22日に行われる.これこそ私たちが公約を実行できるという証。札幌、旭川、網走稚内、釧路へと、新幹線を延ばし大きくいこう。21世紀は北海道の時代。新幹線のように速いスピードで北海道を盛り上げるために、郵政民営化法案は今国会中に成立させなければならない。最終的には執行部に一任してほしい.問題については幹事長として体を張って政府と折衝したい.来週が山」と熱弁をふるい、「立党50年の節目。さらに心を新たに前進しよう」と呼びかけました。
 高橋知事も、北海道新幹線の着工に触れたあと、在任期間を振り返り、「無名の新人が知事に当選し、あっという間に2年がった。大変なことばかりだったが、経済の活性化に心をかけてやってきた。日々心がけているのは、普通の道民の目線で北海道のために何ができるかということである。引き続き頑張っていきたい」と道政への意欲を披露しました。
 中川大臣は、東シナ海の天然ガス田開発の民間への試掘権付与について、「一昨年来関係国に連絡しながら作山菜を進めている。日本は配慮しながら取り組んでいる.友好、平和の中で発展していくことが基本的な考え方であり、粛々と作業を進める」と述べました。
 祝辞のあと、表彰に入り、優秀組織、優秀党員、党員獲得目標達成支部、党本部総裁表彰が紹介され、被表彰者を代表して優秀党員の久保すさえさん(札幌豊平区連)が壇上で橋本会長から表彰を受けました。
 このあと議事に入り、清水誠一幹事長が党情・政策・参議院議員選挙、平成17度活動方針案、決算・予算について、伊達忠一役員選考委員長が任期満了に伴う、役員選考結果についてそれぞれ報告し、いずれも原案通り承認・決定されました。会長には橋本聖子参議の再選、会長代行に今津寛衆議、副会長に伊達忠一参議、石崎岳衆議、幹事長には伊藤条一道議を選出しました。
 新役員を代表しあいさつに立った橋本会長は「立党50年の節目に、新たなスタートする2年間のの続投は、身の引き締まる思い。一生懸命頑張りたい。統一地方選挙など19年の政治決戦に向けて今年は非常に大事な年である。と強い決意を表明.さらに「民間の協力をいただきながら、友好・協力団体と勉強会・懇談会を重ね、政策に反映させていきたい。道内女性議員連絡会議、女性のネットワークを女性部と連携してきめ細かい活動を展開、子育て、少子高齢化、教育問題も含め、幅広い女性の活動を支援していく。道連も生まれ変わり、無党派、あまり政治に関心のない人に関心を持ってもらえるよう、人材を育成しなければ.自民党らしくないと言われるかもしれないが、道連のサポータークラブを立ち上げたい」と新機軸を打ち出した抱負を語りました。
立党50年記念として初代内閣安全保障室長の佐々淳行氏による記念特別講演
 また、「厳しい時代だからこそ夢を語り続け、追い続けること、その思いがまさに政治そのものであり、札幌での夏季オリンピック誘致と北海道新幹線の札幌までの延伸に向け頑張っていこうとする活力が大事。さらに、今から選挙対策本部を立ち上げたい。これからの選挙に勝ち抜きことが19年度の選挙につながる。活動方針を一つひとつ、できることからやっていきたい。全てを北海道に捧げるつもりで頑張っていきたい」 と述べ、盛んな拍手を受けました。
 続いて、中村裕之アピール起草小委員長が大会アピールを力強く朗読し採択。引き続き立党50年記念として、初代内閣安全保障室長の佐々淳行さんが、「危機管理の視点から見た―日本の安全保障政策」と題して記念特別講演が行われました。佐々さんは警察庁刑事局参事官、防衝施設長長官、内閣総理大臣官房などを経て、同室長に就任・活躍し、平成元年に退官。東大安田帯堂事件、連合赤軍あさま山荘事件、金大中事件など多くの重大事件の処理を指揮。現在、政府研修機関の非常勤講師を務める日本の「危機管理」の第一人者です。
 佐々さんは、これらの経験を踏まえ、日本の治安、防衛、外交について、自由民主党、総理大臣の姿勢や功績などを交えて解説、「自民党が本気になってやってほしい。国政選挙がないゴールデンスリーイヤーズに本格的な改革を」と鼓舞しました。
 特別講演終了後、前日の青年局定期大会で新しい青年局長に就任したばかりの新川勝久さん がバンザイを三唱して、立党50年の節目の定期大会を締めくくりました。会場では、立党50年記念のパネル展も行われ、参加者は堂連の主役らの懐かしいシーンや新聞記事などに熱心に見入っていました。予定以上に参加者で当初予定の椅子席が満席となり、会場からあふれるほどの盛況でした。
 平成17年度活動方針の骨子と大会アピールは次の通りです。




第1 活動の理念と基本目標

前文−立党の原点へ

 本年は“戦後還暦”の60年、自由民主党とわが道連にとっては立党50年の歴史的な節目の年である。明治維新、敗戦後の大改革に次ぐ"第三の開国"が叫ばれて早や10年余、いぜん21世紀・新生日本の確かな扉が開かれたとは言いがたい。「官から民へ」「国から地方へ」の旗印の下、激変を遂げる新時代に対応すべく国や地方の仕組み、経済社会システムの構造を抜本的に改革しようとする「小泉改革」もいまだ道半ばであり、改革に伴う矛盾や軋轢?(あつれき)?もまた少なくない。こうした混迷・混沌の時代の克服をめざすとき、私たちはいま一度「立党の原点」を見つめ直し、先人の労苦と英知に思いを致し、使命と任務を新たにすべきであろう。
 まず第一に、『立党宣言』は冒頭で「政治は国民のもの」と高らかに謳っている。わが党は開かれた国民政党であることに、限りない誇りを持ってきた。自由民主党は特定の階層や組織の利益を代表したり、便益を図る政党ではない。「国民全般の利益と幸福のために奉仕し、国民大衆とともに民族の繁栄をもたらそうとする政党である」(『党の性格』)。果たしていまのわが党の有り様?(よう)?はどうであろうか。国民全般の利益と広汎な民意の求めるところに、十分対応していると言えるであろうか。立党以来のこの「国民政党である」という不動の基軸をここであらためてかみしめ、再確認することから、党再生の第一歩は踏み出さなければならない。
 また第二に、立党宣言では「10年後の世界を目標に描いて創造の努力を払い、過去及び現在の制度機構の中から健全なるものを生かし、古き無用なるものを除き、社会的欠陥を是正することに勇敢であらねばならない」と、決意を述べている。
 温故知新−古きを尋ねて新しきを知る。私たちは今も新しい立党時のこの政策理念と志を、今日の時代が要請する諸問題に重ね合わせ、変えるべきものは大胆に改革し、変えるべきでないものは断固これを保守する−"創造的進化"に向けて勇敢に挑戦しなければならない。本年度、立党50年の節目に臨み、すべての党活動の根底にこの2つの理念と精神を据えるものである。

「自民党らしさ」の追求と保守理念の再構築

・党本部の今年度大会の重点政策の筆頭には、立党記念日までに「新しい憲法草案を策定し、国民的議論を展開する」ことが挙げられている。自主憲法の制定は立党以来の党是であり、悲願であり続けたことは言うまでもない。一昨年の総選挙で初めて憲法改正を公約の俎上?(そじょう)?に載せて以来、今日まで党憲法調査会・憲法改正プロジェクトチームは合計19回もの会合を経て、全条文に関する審議・検討を先行的に積み重ね、細部にわたる「論点整理」を昨年6月にすでに取りまとめている。
 さらにそれを承(う)けて、昨年11月17日からは、党憲法調査会・憲法改正案起草委員会において詳細にわたる議論が展開され、12月15日には小泉純一郎総裁を本部長とする「新憲法制定推進本部」が、翌16日には同本部の下に森喜朗前総裁を委員長とする「新憲法起草委員会」が党内に発足、同24日の第一回会議開催以降は10の小委員会に分かれて地方ブロック代表も加わり(北海道ブロックからは道連幹事長と政調会長が参画)、党を挙げての精力的な議論が、とくに党大会終了後はハイピッチで重ねられてきたところである。そして、4月5日、改憲草案のたたき台(要点整理)というべき改憲要綱が決まり、4月末を目途に、この要綱に基づくわが党の憲法改正試案が策定され、条文化の作業に入る。その後、その試案をもとに全国各地でタウンミーティングを実施、本年11月の憲法草案策定に向けて国民運動が展開され、党員をはじめ国民各界各層の意見を取り入れた形の立党50年自民党憲法改正草案を世に問う運びとなっている。機は熟した。憲法改正問題は今まさに現実の政治日程にのぼってきたのである。
 一方、民主党もすでに昨年6月、党憲法改正案の青写真となる「憲法提言」の中間報告を発表。2月からは民主党憲法調査会において5つの小委員会で本格的な議論が始まり、個別にも、元代表や旧民社党系の議員グループらもそれぞれ憲法改正試案をまとめるなど、憲法改正草案策定への速度を早めている。しかしながら、党内の意見集約は極めて難航するものと予想される。
 いずれにせよ、「憲法を改正する」という党内意思については自民、民主共に定まり、今や「改憲」対「護憲」の不毛の対立は終わりを告げ、改憲の質と中身について国民の信を問う時代へと大きく様変わりしたのである。
 従って憲法改正論議は次第に白熱した自民、民主二大政党の“対立軸”となっていく要因を秘めており、ここでわが党が“自民党らしさ”を国民の前に明示して民主党との違いを鮮明にし、理解と支持を得るか否かは、これからの党の盛衰をも左右しかねない。憲法改正問題が本年以降、きわめて重要な政治課題に浮上してくることを全党員は深く認識すべきである。道連としても国民(道民)合意の形成に向けた党活動を今年度は積極的に推進する。
・さらに、『教育基本法の改正』についても、今年度党大会では重要政策の二番目に位置付け、「50年経ても、教育国家の体裁を整えていない」として「教育基本法の改正を今年こそ実現することを誓わなければならない」とし、教育再興の決意を強くにじませている。
 教科書の検定・採択についても「偏った歴史観やジェンダーフリーなどに偏重した教科書の適正化」を求めるとし、“自民党らしさ”を明確に打ち出している。
 教育改革が叫ばれてすでに久しい。とくに近年、戦後教育の欠陥に少なからず帰因すると思われる、道徳心の乱れ、公徳心の欠落、自分さえよければ他人はどうなってもいいという利己主義の蔓延、家族解体、学級崩壊、共同体の一員としての絆や連帯感の希薄化等々…国民意識の基盤そのものが崩壊しかねない兆しが濃厚に漂い始めた。
 異常・異様な犯罪の多発、治安の乱れ、学力劣下などの深刻な社会現象の顕在化も、日本人としての規範意識や価値観、伝統精神が脱け落ち、過度に「個の重視」「自主性尊重」を強調する現行教育基本法の理念と無縁だとは言い切れない。
 ことに北海道においては、北教組によって教育の歪み、偏向教育に拍車がかけられた歴史的経緯がある。党道連としても、党本部の活動方針に呼応し、民主党−連合北海道−北教組と繋がる左派ブロックに対し、教育に対する理念、政治姿勢の違いを明示し、広く道民に教育正常化を訴える啓蒙・広報活動を、今年度から道議会活動と連動して強力に推進する。
 “人材立国”こそ日本にとって国家の存立・発展の根幹をなし、教育の再興なくして国の未来はないといっても過言ではないからである。
・次に、立党時の『党の政綱』にも明記されている北方領土(歯舞諸島、色丹島、国後島、択促島)の返還は、50年を経た今も、いまだ達成されていない。
 時あたかも本年は、日露通好条約が結ばれて150年となる記念すべき年に当たる。そこでわが党は、3月26日から三日間にわたって全国規模の「自民党北方領土研修会」を開催、道連もこれに全面的に参画したところである。
 今後も、終始返還キャンペーンの先陣を切ってきたとの自負を持(じ)しつつ、2月7日の「北方領土の日」、9月3日の「北方領土不法占拠に抗議する日」の街頭キャンペーンの継続実施はもとより、節目の年の本年は、新たにセミナー、シンポジウム等を企画・実施し、さらなる世論喚起に努める。
・この他、戦後史を画するといっていい「拉致問題」の妥協なき解決、「自衛隊法」の現実的改正、「建国記念日」の歴史的意義などを幅広く道民にアピールし、これまで徐々に溶解しつつあった伝統的日本の国家像や国民精神を啓発する諸種の党活動・議会活動を展開する。
 ここでも“自民党らしさ”を全面的に打ち出し、民主党とのスタンスの違いを訴えることとする。

 「北海道らしさ」(北海道アイディンティティー)の追求と
新たな「北海道像」構築


・中央集権から地方主権へ−このトレンド(時代の潮流)は止めようがなく、今後ますます流れを早め本格化していく。北海道も、国の関与を縮小し権限の拡大を求め「道州制」を掲げるならば、その一方で、中央依存から脱却し自立していく険しい道のりを覚悟しなければならない。これは言うに易く行うに難い高橋道政に課せられた重い試金石である。
 と同時に、横路道政以後苦節20年の停滞を経て、ようやく誕生した高橋道政の産みの親であり、現に道政の責任与党であるわが党にとっても、背負うべき逃げようのない命題である。
 都道府県が各々(おのおの)個性と独自性を競いあう本格的な「地方分権時代」突入に際し、あるべき私たちの“北海道のかたち”をどう設計するか−新たな「北海道像」の構築に向けてわが党としても全力を尽くさなければならない。
(1)第一次産業をしっかり『基幹産業』に据え直す。
 その際に必要な視点は、北海道が持つ「気候風土」や「地域特性」、都府県にはない北海道ならではの「比較優位性」をいま一度見つめ直すことである。
 広大な大地、雄大な景観、清浄な環境、厳しい風雪、そして豊かな林業・水産資源に加え、北海道ならではの歴史と風土の中で培われてきた国内ダントツの農業・畜産業…これら本道特有の財産は“内地”にはない「優位性」そのものにほかならない。従ってここから帰結されることは、農林水産業と観光産業を北海道の『基幹』に改めて据え直し、経営資源を特化・集中する骨太な政策である。
 BSE(牛海綿状脳症)、鳥インフルエンザ−食のグローバル化が引き起こす食の安全・安心問題がクローズアップされ、加えて、食料自給率40%、食糧の実に6割を海外に依存する食糧輸入超大国・日本の脆弱なあり方は、あらためて北海道の農・畜・水産業の存在価値と豊かな可能性を明示している。
 北海道の一次産業は疑いもなく日本の将来を支える“未来産業”なのである。
 わが党は、これら多彩な一次産業を“北海道らしい”独特の自然エネルギー(牛ふんや木材の廃物を利用するバイオマスエネルギーや、雪氷冷熱エネルギー、風力など)の開発利用と結びつけ、付加価値と優位性の高い一次産業の高度加工品の開発・利用促進をはかる。そのために、北海道経済連合会やJA北海道をはじめとする友好経済団体、道庁、学界とわが党の政調活動や議連活動、道議会活動を連結させて提携を深める“触媒機能”を推進する。
(2)「環境の世紀」を見据えた“北海道らしい”循環型社会の構築
 地球環境が危機に瀕(ひん)している。とりわけ地球温暖化問題は世界各地で異常気象が頻発し、淡水の不足や地下水の枯渇が懸念されるなど、もはや世界人類共通の課題として浮上してきた。経済至上から環境重視へ−これは「京都議定書」の目標達成を否応なく迫られる時代の要請にほかならない。
 こうした「環境の世紀」の視座に立って北海道を眺めると、農業・農村はもはや単なる食糧供給基地に留まるものではない。環境を保全し、景観を守り、生態系を維持しつつ、私たちの食−健康−幸福をつなぐ“生命線”の拠点そのものである。
 林業は木材生産と同時に、生命維持の源泉である酸素を供給し、空気を浄化し、保水機能を果たし、森林浴は人々に安らぎと潤いをもたらす。
 漁業は日本人に健康的な和食を可能にする基礎産業であり、ユニークな魚文化を保証し、世界に冠たる海洋科学のフィールドを提供する。
 こうした視点に立ちわが党は、これからの時代、都市と農山漁村とが「活力」と「潤い」を相互に共有し合い、生産−消費−廃棄が再生・循環する人と環境にやさしい“地産地消"型社会を、この北海道の近未来のあるべき姿として追求し、“北海道らしいクニづくり”を目指して政策展開を図り、実現を目指していく。
(3)“北海道ならでは”の新技術・新産業の創出
 本道のIT(情報技術)関連産業分野における事業所数、従業員数、売上高の、都道府県別順位はいずれも第6位〜第7位。同じくバイオ産業は、遺伝子工学分野の研究者数で東京、大阪に次ぎ都道府県別順位が第3位。大学発のバイオベンチャー企業の立ち上げも急速に進んでいる。
 IT、バイオなど近未来の北海道を牽引する先導的分野の多彩な種子(シーズ)は、今や確実にこの北の大地に発芽してきた。
 「北大リサーチ&ビジネスパーク」の試みに代表されるように、豊富な知的資源をもつ大学を核とし、研究開発から事業化までの一貫したシステムを産学官の連携によって構築し、新技術・新産業を創出する。こうした「知的クラスター創成事業」「都市エリア産学官連携促進事業」の推進は、今後、札幌圏のみならず、大学や各種研究機関を有する中核都市にとって、地域活性化政策、都市産業政策の中核に位置づけるべきである。
 わが党は昨年、党本部政調会主催による「自民党移動政調会in北海道」を大々的に開催、ベンチャー企業家やハイテク関連の創業者を多数集め、額賀政調会長(当時)他、党本部政調会メンバーとの直接対話の機会を設け、北海道の先導的事業に対する関連予算獲得に道を拓いた。
 道連としては、今後こうした新たな政務調査活動を通じて、高橋道政推進の重要な一翼を担い、同時に党勢のウイングを新規産業経済分野に伸ばす方策と位置づけ、新たな支持層拡大策につなげていく。
(4)近未来の展開を見据えた社会資本の整備
・高規格幹線道路網の整備・促進
 本道は国土の4分の1の面積を占め、都府県とは異型の広域分散型の地域社会を形成し、実に道内物流の90%、人流の96%を道路交通に依存する。なによりも二大『基幹産業』である農業を核とした一次産業と観光などの経済活動を支える上で高規格幹線道路ネットワークの全線早期完成は必要不可欠である。
 よって道連としても、関連友好団体や道、開発局、代議士会と歩調を合わせ、財源確保に全力を傾ける。
・北海道新幹線の札幌までの延伸、全国の約半分に留まっている高速自動車国道の整備の加速、空港と主要高規格道路とのネットワーク網の建設・整備、早期実現にたゆまぬ努力を傾注する。
 また、本道の地域特性にマッチした新たな起業、中小企業の新規分野への参入・挑戦に対してはあらゆる金融支援、制度支援策を総動員してバックアップし、経済自立の種子(シーズ)を育成していく。
 さらに、少子・高齢化の進展をにらんだ住環境などきめ細かな都市対策の強化、環境の世紀−21世紀にふさわしい北海道独特のリサイクル社会構築にも取り組む。

平成19年「政治決戦」に向けた新たな党勢拡大策と臨戦態勢の確立

 再来年、平成19年は統一地方選(4月)、参院選(7月)、任期満了まで解散がなければ衆院選(11月)と、文字通りわが党の浮沈を左右する政治決戦の年となる。あと2年弱の月日しかない。わが党の興廃この政治決戦にあり、といっても誇張ではない。この重大性を私たちは深く認識し、党道連は新執行部発足と同時にこれまでの基幹組織や活動のあり方を抜本的に再検討し、道連の各執行機関は挙げて“平成19年政治決戦”に備えなければならない。そのため、可及的速やかに「総合選挙対策本部」(仮称)を立ち上げ、2年先をにらみ常在戦場の心構えで今から勝利に向けた明確な戦略目標を打ち立て、具体的な戦術行動に着手する。
 その際、道連と各種団体協議会、諸種の政治連盟、党職域支部との連携強化のため新たに常設の機構・機関を設けて総合選挙対策本部に位置づけ、恒常的に協力提携策を講ずることとする。加えて、最も強調されるべきは都市部、さらに絞って言えば道内有権者の4割を占め、5つの選挙区にまたがる札幌圏におけるわが党の支持層をいかに拡大するかは、現下最大の課題である。
 「参議院選挙総括」(別項)の「残された課題と今後の対応」で触れられているが、先の参院選において、あれだけの逆風下にありながら、わが党は札幌市における選挙区戦で着実に一定の成果を挙げた。道連はこのプラス要因の徹底分析の上に立ち「札幌市政奪還」を誓う札連(札幌市支部連合会)と組織、活動両面にわたって混然一体、緊密に連携を図り、札幌市における新たなる支持層の発掘と党勢拡大を今年度組織活動の最大の眼目に据え、全力を傾注する。

2020年夏季オリンピックの札幌誘致への取組み開始

「夏季と冬期のオリンピックを両方行った都市は、まだどこにもない(小泉首相)」。 五輪誘致を北海道新幹線の札幌までの延伸とセットで北海道活性化の起爆剤と位置づけ、夢の実現に向け取り組みを開始する。

立党50年記念事業の企画、推進

・「立党50年に臨む改革検討委員会」の設置
 本年、わが党は11月15日に、道連は12月24日に、それぞれ「立党50年」の光輝ある半世紀の歴史を刻む記念すべき日を迎える。
 道連はこの節目の年にあたり、「自民党道連50年史」(仮称)の編纂を初め、各種記念事業を企画するほか、これまでの道連の組織、活動、政策、広報、規約など党のあり方や運営各般について課題や問題点を洗い出し、点検・検討のメスを加えるため諮問機関の性格を有する「立党50年に臨む改革検討委員会」(委員長・湯佐利夫 道連副会長)を設置したところである。
 当委員会は昨年12月8日道連役員会の了承を経て発足、すでに2月1日・3月24日に会議を開催、三つの小委員会(?記念事業推進に関する小委員会 ?記念誌の編纂に関する小委員会 ?道連運営に関する小委員会)の設置を決めた。
 今後の委員会の運営や進め方、提言や答申については、道連新執行部と綿密に協議して本格的に進めることとし、運営メンバーに経済界から適任者を増員することも決定された。
・委員会の構成と企画(案)は以下の通り
(1) 記念事業推進に関する小委員会
  ・憲法改正、教育基本法改正などに関するシンポジウム等の企画・開催
  ・北方領土大規模研修会の開催
  ・立党50年記念式典の企画と開催など
(2) 記念誌の編纂に関わる小委員会
(3) 道連運営に関する小委員会

第2 組織委員会活動

 本年は立党50年の節目の年に当たり、また市町村合併も加速しつつあることからこれをプラス思考で組織拡大の絶好の好機ととらえ、組織再構築元年と位置付け、選挙区支部を中心に所属市町村支部の再整備・再強化を図ると同時に、党員党友はもとよりわが党を支える各種友好団体が一丸となって強靱な組織体制を確立する。
 このため、日々道民と接しているわれわれ党員・党友が日常活動の重要性を十分に再認識し、改めて友好団体をはじめ各界各層の道民に対する働きかけを強化する。
 以上の基本方針を踏まえ、活動を推進する。
 1、組織の充実強化と休眠支部の解消
 2、新規党員の拡大と継続党員定着
 3、各種友好団体との連携強化
 4、新規団体との協働模索
 5、立党50年記念事業の企画検討
 6、ネットワ−クシステムの有効利用

第3 広報委員会活動

 政党活動の原点である広報活動の強化は最も重要あり、党員・党友はもとより広く道民に対し、党の実績や政策をわかり易く効果的に伝達することを基本とし、迅速且つキメ細かな活動の展開とともに、特に本年は立党50年の節目の年であることから、各種啓蒙運動をはじめ、真の自民党の姿の理解に努め強力なイメージアップを党内外の関係機関と密接な連携を図りつつ展開する。
 以上の基本姿勢を踏まえ、次の事項を最大の柱として活動を推進する。
1、広報宣伝活動の拡充
(1)広報掲示板の設置・整備
(2)広報車活動の充実
(3)党機関紙・誌の購読拡大並びに道連版(「自由民主」等)の適宜発行
(4)マスコミとの連携強化
2、多彩な広報活動の展開
(1)文化活動の継続
(2)インタ−ネット等の積極的活用
3、政経セミナ−等の開催
(1)政経セミナ−の開催
(2)セミナ−、シンポジウム等の企画


第4 選挙対策委員会活動

 本年は、立党50年の輝かしい節目の年である。平成19年に想定され、わが党の浮沈にかかわる政治決戦(知事選を頂点とする統一地方選挙、参議院議員選挙、任期満了衆議院議員選挙)に備え、これに応えうるような必勝態勢の構築を重点活動として全力を傾注するとともに、本年執行される各級選挙において、必勝のための支援体制を強化する。
 とくに来るべき衆議院議員総選挙は、北海道の命運を決する重大な選挙戦であり、常在戦場の構えでその勝利を確実なものにするための磐石な戦う体制の確立に総力を結集する。
1、平成19年政治決戦における必勝態勢の確立
2、各種団体協議会との連携強化
3、友好諸団体対策の推進
4、党組織・地方議員連絡協議会との連携強化
5、各級選挙の必勝

第5 政務調査会活動

 わが党が立党50年を迎えるにあたり、「政治は国民のもの」という原点に立ち返り、憲法改正や教育基本法改正など、国の根幹にかかわる政策から、地域におけるさまざまな問題まで、党本部との強力な連携のもと、きめ細かな政策活動を展開していく。
 厳しい経済情勢が続く北海道において、景気の回復・雇用の確保を最重点におき、基幹産業である一次産業の推進と観光産業の振興、新産業・中小企業支援の強化など、北海道経済の安定・向上に向けた取り組みを強化するとともに、福祉施策、青少年教育、少子化対策、食、環境、クリーンエネルギーなど、「安心・安全の地域づくり」、「豊かで特色ある北海道づくり」に向けた政策活動を展開していく。
 特に道州制、三位一体改革、市町村合併など地方分権に対する取り組みについては、北海道代議士会をはじめ、経済界・地方自治体・地方議会、さらには道連最大の友好議員団体である地方議員連絡協議会とも連携しながら、全道一丸となって真の自立に向けた、地域のための活動を推進していく。
1、景気・雇用対策、新産業・中小企業対策の強化
2、食・治安・災害など安全対策の強化
3、観光・環境施策など特色ある北海道づくりの強化
4、地方分権に向けた地域支援対策の強化
5、選挙区支部との政策連携強化
6、議員会内各機関との連携強化
7、市町村並びに各種団体協議会との政策連携強化

第6 道議会活動

 本年は自由民主党と自民党道連にとって立党50年の歴史的な節目の年であり、立党宣言で謳っている「政治は国民全体のもの」という政治信条を再確認して、道議会活動に取り組んでいく。特に党是である自主憲法の制定、教育基本法の改正等については党道連と連動して強力に推進していく。
 平成17年度は、高橋知事の任期4年の折り返しという重要な年であることを踏まえ、新しい執行体制のもとで、責任政党として「高橋道政」を支える立場を強固なものにしていく。
 赤字再建団体への転落が現実味を帯びるという、危機的な状況にある道財政の立て直しに道筋をつけるなど、知事とともにこの難局を乗り切り、道政上の諸課題に的確に対応していく。
 三位一体改革の推進で地方を取り巻く情勢が厳しさを増している中で、道州制特区の実現をはじめ、地域が主体性を発揮できる真の地方分権の確立に向けた取り組みを強化していく。
 道民の悲願であった北海道新幹線の着工決定を弾みとし、本道経済の再建に一層努力していくとともに、道財政が厳しい中にあっても、道民生活の向上を図るため一次産業対策の推進、中小企業対策の強化、環境、福祉、教育施設の充実などに努める。



大会アピール

 本 本年11月15日、自由民主党は立党50年、自民党道連も12月24日に同じく50周年を迎える。
 立党の宣誓に謳う「政治は国民全体のもの」という政治信条のもと、わが党はその後一貫して国政の重責を担い、国民の負託に真摯に応え、苦難に満ちた戦後の茨の道を克服して、世界に冠たる経済大国を築いてきた。私たちは、このことを誇りに思うと同時に、いま歴史的な節目の年に臨んで、あらためて先人の労苦と英知に思いを致し、立党の精神に立ち帰って21世紀・新生日本の確かな扉を開いていく覚悟が求められている。
 現下の北海道は依然として厳しい経済情勢下にあり、道財政もかつてない危機に直面している。加えて、三位一体改革、市町村合併、道州制の導入等、転換期の荒波が一挙に押し寄せ、本道を取り巻く状況は一段と厳しさを増している。
 こうした時代認識のもと、わが党は全力で「高橋道政」を支え、任期4年の折り返しの年である本年、困難を乗り越えて北海道の大地に夢と希望と誇りある新たな礎を築いていかなければならない。
 ここに私たちは、政権政党・責任政党として、道民の負託に応えるべく以下をアピールする。

一、立党50年の歴史的な節目に臨み、立党の政綱に謳われ今も重要な政治課題である憲法改正草案の策定と教育基本法改正に向け、自民党らしく全力で邁進する。

一、新生北海道を築くため、疲弊した経済の立て直し、雇用の安定に全力で取り組み、地域の主体性が発揮できるよう地方分権を推進する。

一、常在戦場の心構えで、来るべき政治決戦に備え、組織の強化と党勢の一層の拡大に努め、政策を幅広く道民に訴えるべき諸活動の充実を期す。

一、日露通好条約が結ばれて150年となる記念すべき年を迎え、再び北方領土返還運動を大きく盛り上げ、道内外の世論を喚起して、揺るぎない返還運動の国論構築を図る。

一、活力ある北海道を展望し、その起爆剤となる北海道新幹線の早期開業と札幌までの延伸、さらに2020年の札幌夏季五輪大会の誘致に向けた取り組みを開始する。

平成17年4月16日

自由民主党北海道支部連合会
第 63 回 定 期 大 会






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