道政上の諸課題について

一、行財政改革について


1、税収の増加策について
内海議員 財政立て直しに当たって、無駄な歳出カットとともに、景気の回復、税収の増加につながる積極的な投資も必要と考えるがどうか。
高橋知事 公共事業における道路交付金の活用、一般財源負担の少ない業種への事業・工種へのシフトによる事業量の確保、中小企業への受注機会拡大、民間と連携した金融支援措置の仕組み検討など、北海道経済を下支えする取り組みが喫緊の課題。また、民間需要に支えられた自立型経済を目指し産業構造の改革や行政サービスの民間解放、少子・高齢社会に対応した新たなサービスの創出などの政策展開を図る。高橋知事 公共事業における道路交付金の活用、一般財源負担の少ない業種への事業・工種へのシフトによる事業量の確保、中小企業への受注機会拡大、民間と連携した金融支援措置の仕組み検討など、北海道経済を下支えする取り組みが喫緊の課題。また、民間需要に支えられた自立型経済を目指し産業構造の改革や行政サービスの民間解放、少子・高齢社会に対応した新たなサービスの創出などの政策展開を図る。

2、人件費の縮減について
内海議員 財政立て直しに当たり知事は、「人件費の縮減は避けられない」「不退転の決意で取り組む」と述べているが、そのめどと手法を示してほしい。
高橋知事 約1800億円の収支不足額の解消に向けて公共事業や一般施策事業などにより約七百億円程度、さらに人件費や義務的経費、歳入確保対策などで約1100億円程度の削減を目標としている。人件費については、組織機構の見直し、新規採用の抑制により職員数を削減するほか、職員給与についても給与の適正化、給与構造の見直しに取り組むとともに、新たな給与の独自縮減措置を講ずるなど、年内をめどに成案を取りまとめたい。

3、職員団体への提示について
内海議員 人事院勧告が出たので、早急に人件費の縮減案を固め、職員団体に提示すべきと考えるがどうか。
高橋知事 最終的には北海道人事委員会の勧告を見極め、新たな行政改革大綱方針や財政立て直しプラン見直し方針に基づき、給与の適正化や職員給与の新たな独自縮減措置についても鋭意検討中であり、できるだけ早い時期に職員団体に提示したい。

4、道財政適正規模の算定について
内海議員 人口や面積、税の負担状況から見て、行政サービスはどうあるべきか、それに伴い人件費を含めた財政支出はどの程度必要か、道財政の適正規模を算定し、負担とサービスの関係を見直すことについて、どう考えるか。
吉澤副知事 さまざまな改革の取り組みの中で、財政規模の適正化を推進していく。

5、行政改革大綱について
内海議員 いつごろをめどに策定するのか。また、数値目標は財政立て直しプランと連動させるのか。
高橋知事 11月下旬までには取りまとめたい。財政立て直しプランとは相互に関連するので、一体的なものとして取り組むことにしている。
相馬教育長 「教育行財政構造改革推進本部」を設置し、知事部局と一体となって行財政改革に取り組んでいる。10月をめどに教育局の内部組織を見直し、指定管理制度の導入、民間委託の拡大、職員数の適正化、関与団体の見直しをはじめ学校や教職員の適正配置、給与の見直しなど検討を進めている。

6、職員の意識改革について
内海議員 今後策定される「改革工程表」は、オール北海道として策定するほか、各部、各支庁単位でも、それぞれの職員の総参加体制の下、策定すべきではないか。
高橋知事 今後策定する「改革工程表」について、これまでの検討経過なども踏まえ、幅広く職員からの提案も取り入れ具体化していく。また、行革大綱の策定段階などの機会を捕らえ、職員参加を進め意識改革に一層努力する。

先行き不透明な時代の総合計画の期間設定は
二、次期総合計画について

1、計画期間について
内海議員 先行き不透明な時代であり、25年先まで展望することが可能かどうか。また、計画期間は先を見通せる知事の任期期間と重なる四年程度とする考えについて、見解を伺いたい。
高橋知事 歴史の転換期に当たって2,30年先を見通すのは難しい面もあるが、少子高齢化の加速などこのままのすう勢が続いた場合、2030年ごろには本道の老年人口が全体の3分の1を超えると推計され、四半世紀程度を見据えた大局的な時代の潮流を展望し、さまざまな課題を検討したうえで北海道の将来像を描いていくことが必要だ。計画期間は長期的な視点に立った確かなビジョンとそこに至る道筋を示す観点から10年またはそれ以上と考えている。一方、知事公約も踏まえた重点施策や事業を盛り込んだ4年程度の中期的な計画も求められるものと思う。

2、総合計画の「総合性」について
内海議員 次期長期総合計画の基本計画では「部門編」「地域編」を設けず、「基本構想編」と「重点プラン編」に集約しようとしているが、個別計画の上位計画に当たる「総合計画」で、道政全体にかかわる「総合性」は、どのように示す考えか。
高橋知事 「基本構想編」では、道政全般を視野に入れた政策展開の基本方向を、「重点プラン編」では、政策分野の縦割りを越え横断的な視点を重視したプランを示すことにより、総合性を備えた計画にする。

3、地域の視点について
内海議員 地域主権を実現するため、基礎自治体の体質強化や地域の振興が重要であり、次期計画では地域の視点をどのように盛り込んでいく考えか。
高橋知事 地域の視点を一層重視し、幅広い道民や市町村の参画を得ながら、「双方向・対話型」の手法により計画づくりを進める。それぞれの地域が自ら将来をデザインし、相互に連携・補完しながら実現していく地域主権時代の北海道の姿や地域同士が広域的に連携し、活力ある地域づくりを進めるための圏域の考え方を明らかにし、圏域ごとに政策展開する方針を地域主体で策定するような仕組みを考えたい。

知事の端的意志表示と五年後の自治体の姿を
三、市町村合併について

1、知事の意志について
内海議員 合併が推進されるべきものであるという知事の意志を、端的に分かりやすく示すべきである。
高橋知事 合併構想の策定に向け、望ましい基礎自治体のあり方や、自主的な市町村合併の推進の必要性、道の役割など基本的な事項を示しながら、18年度の早い時期に道の合併構想を策定する。

2、五年後の自治体の姿について
内海議員 合併新法は5年間の期限付きだが、合併が進まない場合、知事は5年後の道内自治体の姿をどのようにとらえているか。
高橋知事 的確に予想することは難しいが、地方において近年、地方交付税が大幅に削減されており、多額の長期債務などにより財政が非常に厳しい状況に立たされると懸念している。少子高齢化も加速しており、必要な住民サービスを確保するためには、一層の行財政改革を進めるとともに、基礎自治体の体制強化を図る観点から合併を検討する必要がある。

循環税導入に当たり先行施策を行うべき
四、循環型社会の形成について

1、循環資源利用促進税について
(1)道民意見の反映について
内海議員 道民や排出業者、産廃事業者などから税の導入についてさまざまな意見が出されているが、こうした意見を条例素案にどのように反映されるのか。
高橋知事 合わせて101件の意見をいただいているが、多くの意見は税導入を前提として急激な税負担を軽減する措置や、税収入の使途などに関する要望として寄せられている。これらの意見を踏まえ、暫定税率の導入、産業廃棄物の減量化、リサイクル推進支援策への充当などを条例素案に盛り込む考えだ。
(2)先行施策の規模について
内海議員 循環税導入の目的が循環型社会の早期実現にあるのであれば、産廃の減量化、リサイクルに関する研究開発、施設整備などの施策を先行して取り組むべきと考えるがどうか。
高橋知事 税導入に先立って企業への支援を行っていくこととし、具体的な先行支援策について関係事業者から要望を聞くなど十八年度当初予算で事業実施を検討している。
(3)企業要望に対する対応について
内海議員 中小企業に対する配慮、企業の急激な負担増の軽減などにどう対処しようとしているのか。経済団体などから理解が得られたと受け止めているのかどうか。
高橋知事 経済団体などから一定のご理解を示していただいたと考えている。要望については現在庁内で検討を進めており、一層のご理解が得られるよう努力している。
(4)導入時期と推進体制について
内海議員 当初、18年10月から施行する予定だったと承知しているが、議会への提案が第四回定例会に変更されたことで、導入時期が変更されるのか。
高橋知事 条例可決後、速やかに納税義務者や特別徴収義務者を対象とした説明会を支庁ごとに開催するとともに、広く道民への周知徹底を図り、十分な準備を確保して予定通り18年10月1日から施行する。

2、ごみ処理の広域化について
(1)市町村合併とごみ処理の広域化計画について
内海議員 今後、市町村合併に伴い、ごみ処理の広域ブロックの構成やごみ処理計画、地方公共団体の負担割合などの変化が予想される。これらをどのように認識しているか。
山本副知事 従来の広域ブロックを越えて行われる市町村合併は三地域で、関係する市町村における協議調整の結果、合併後の状況に即した効率的なごみの広域処理体制が確保されると承知している。今後とも必要に応じ、市町村に対して技術的な助言や調整に努めていく。
(2)今後の広域化の推進について
内海議員 今後の広域的なごみ処理の推進に当たっては、さまざまな状況に応じて柔軟に進められるべきだ。
山本副知事 地域の状況に応じて、市町村とも十分協議しながら、地域の実情に即した広域的なごみ処理を推進していきたい。

条例制定や宣言で道民にアピールを
五、世界自然遺産について

1、課題の克服について
内海議員 さまざまな課題を克服して、この世界に誇れる自然環境を後世に残すため、知事の考えを改めて聞きたい。
高橋知事 国や地元自治体、関係機関、団体と連携して海域管理計画の策定など積極的に取り組むとともに、知床の原生的な自然にふさわしい利用ルール、いわゆる「知床ルール」づくりを進め、世界の宝となったこの自然環境を守っていきたい。

2、知床世界自然遺産条例の制定について
内海議員 本道でも条例や宣言を制定して、知床を永遠に世界遺産として守る精神を、道民にアピールしていくべきではないか。
高橋知事 来月開催予定の登録記念式典の場において、斜里町、羅臼町とともに、その趣旨を踏まえた「知床宣言」を出したいと考えている。

民間施設の実態把握と解体時の監視と指導を
六、アスベスト対策について

1、アスベスト使用施設の把握について
内海議員 道内には昭和30年以降に建てられた延べ500平方メートル以上の木造建築物以外の建物が相当数ある。こうした民間施設をどのように把握して、アスベスト台帳に反映させるのか。
高橋知事 市町村の協力を得ながら所有者に対して、使用状況などに関するアンケート調査を行い、この結果に基づいて聞き取り調査などにより詳細な把握に努め、アスベスト台帳を作成する。

2、解体時の監視・指導体制について
内海議員 大気汚染防止法や廃棄物処理法により、さまざまな義務付けや措置が規定されているが、道は今後建築物の解体時にどのように監視・指導を徹底するのか。
高橋知事 現在、届出のあったものすべてについて、支庁職員による立ち入り検査を実施し、現場において作業基準の遵守、除去したアスベスト廃棄物の梱包状況、その処理計画などを確認することにしている。

支庁の相談員の廃止は道民の理解得られるか
七、消費生活相談体制について

1、消費生活相談の現状などについて
内海議員 消費生活についてさまざまな議論がある中で、知事は消費生活相談の現状をどのように認識し、どのような考えで見直ししようとしているのか。
高橋知事 事業者の販売方法は悪質・巧妙化、消費者被害も複雑・多様化し、相談件数も増加している。しかも、悪質な住宅リフォーム業者による高齢者を狙った被害が急増しており、大変残念。道は市町村と役割分担を明確にし、道における相談体制を道センターに一元化し高度専門的・広域的な苦情処理や問い合わせに的確に対応できる体制づくりの検討を進めている。

2、支庁における消費生活相談体制について
内海議員 相談件数増加の中で18年度から支庁の相談員を一気に廃止するのは、道民の理解が得られないのではないか。
高橋知事 道民の方々からさまざまなご意見をいただいており、議会の議論も踏まえ、今後、支庁も含めた地域における相談体制のあり方について適切に判断する。

離職中の女医確保とへき地の人員配置を
八、医師確保対策について

1、医師確保総合対策の実施状況などについて
内海議員 医師確保総合対策では医療連携体制の構築、医学部などでの要請、・研修課程における医師確保対策、へき地医療に対する強化など広範な対策が盛り込まれているが、この内容をどう受け止め、今後、どう取り組んでいく考えか。
高橋知事 「北海道医療対策協議会」の設置や「熟練ドクターバンク」の立ち上げなどすでに取り組んでいるもののほか、女性医師の就業環境の整備や医師配置基準の特例など新たな対策として、今後、国から具体的に示される施策も踏まえ、関係機関と連携・協力し、医師確保に向け一層努力したい。

2、女性医師バンクの創設について
内海議員 総合対策で女性医師バンク創設を検討項目に挙げているが、離職中の女性医師にも働きかけ、医師確保のための仕組みを作るべきではないか。
高橋知事 北海道医師会などの関係団体の協力を得ながら、年度内をめどに女性医師に多様な就業形態を提供するドクターバンクを創設するとともに、子育てしながら働くことのできる保育体制の充実や復職を支援する仕組みづくりに取り組む。

3、へき地等の人員配置基準について
内海議員 医師配置標準の特例導入に際し、地域の実情が十分に反映されることが必要ではないか。
吉澤副知事 この特例の導入は、地域医療を確保する観点からも重要であることから、今後、北海道の実情に即した医療提供体制整備が図られるよう、国に要望するなど適切に処理していく。

本道の特殊性を計画にどう反映するのか
九、改正介護保険法について

1、改正介護保険法の評価などについて
内海議員 創設以来、介護保険の施行状況はどのように変わり、その推移や動向を踏まえ今回の制度改正をどのように受け止めているか。
高橋知事 平成12年度制度施行時と16年度末の比較では、65歳以上の第一号被保険者は16.7%増加し、サービス受給者は約2倍になっている。また、保険給付額は約1.7倍に達している。サービスの利用の伸びに伴い保険給付額が増大し、保険料負担も増嵩することなどから、長期的・安定的制度運営を確保することが重要な課題である。その意味で今回の改正は予防重視型システムへの転換、低所得者への配慮などが盛り込まれ、持続可能な制度の構築に向け必要なことと考えている。

2、介護保険事業者支援計画の進捗状況について
内海議員 現行計画の進捗状況は、どのようになっており、それをどのように評価しているか。
吉澤副知事 特別老人ホームなどの施設サービス、訪問介護、通所介護など在宅サービスはほぼ計画通り、認知症高齢者グループホームなどは見込みを大幅に上回るものがある一方、訪問リハビリや通所リハビリなどは見込みを下回っている。これらの進捗状況や制度改正の趣旨を踏まえ、計画の見直しを含め、介護予防の一層の推進を図る。

3、本道の特殊性の反映について
内海議員 国の基本方針に基づき、道の計画検討協議会で検討が進められているが、本道の特殊性や地域の実情をどのように反映させようとしているのか。
吉澤副知事 学識経験者や関係団体で構成する計画検討協議会からご意見をいただくとともに、市町村と十分連携を取りながら、地理的条件や介護サービス基盤の整備状況の特殊性などを反映させた計画づくりを進める。

「まちづくり三法」の改正にどう対応するか
十、中心商店街の再生について

1、検討状況について
内海議員 道が昨年12月に庁内に立ち上げた「中心市街地活性化検討会」で、活性化方策を検討中だが、これまでの検討状況を伺いたい。
麻田副知事 中心市街地の活性化には、商業機能だけでなく、居住、医療など多様な都市機能の集積により、集客力や居住の魅力を高めて、「中心市街地のにぎわい」を創出するとともに、大規模な集客施設の適正な立地に向けた取り組みが必要との認識に立った。今後は国の「まちづくり三法」の見直し動向を踏まえ、今年度内に「本道商業の振興方策」の作成や、公共施設、住宅・住環境の整備など都市機能の整備に努めるとともに、大規模集客施設の立地調整の方策について検討を進める。

2、まちづくり三法の認識等について
内海議員 現行の「まちづくり三法」が当初の成果を挙げ得なかった理由をどうとらえているか。また、新たな「まちづくり三法」が、地域主権の下、どうあるべきと考えているか。
高橋知事 中心市街地の人口減少や空き店舗の増加、病院や公共施設の郊外への移転、商業地域以外への大型店の立地増加など新たな課題も加わり、中心市街地の活力低下に歯止めがかからなかった。三法の見直しに当たっては、広域的観点からの立地調整を含め、市町村や経済界と連携して、「都市機能全般の市街地集約」「中心商店街のにぎわい回復」を一体的に進める枠組み構築が必要である。

3、コンパクトシティづくりについて
内海議員 道としても、歩いて暮らせる、三世代交流が可能なコンパクトシティづくりの推進方針を策定するなど、その取り組みを始めるべきではないか。
高橋知事 今後、新たな都市計画制度改正などの国の動向や、他府県の事例を踏まえ、土地利用の規制や中心商店街への都市機能集積などコンパクトなまちづくりのあり方などについて、庁内一体となって検討していく。

信用補完制度に関し実効性ある仕組みを
十一、中小企業金融について

1、信用補完制度について
内海議員 信用保証協会のあり方について、中小企業が気軽に相談でき、経営・再生支援の強化、融資の迅速化などを柱とする信用補完制度を国が明らかにしているが、これらの提言について道の見解を伺いたい。
高橋知事 信用保証協会が、中小企業にとってより身近な存在になり、中小企業金融の一層の円滑化に資するものと考えており、国の制度見直しの趣旨を踏まえ、保証協会との間で設置している「信用保証に関する協議会」を活用するなどして、その充実に取り組んでいく。

2、経済再建のための金融支援策について
内海議員 18年度の政策展開において金融支援策について全庁的な検討を進め、民間との連携により実効性ある仕組みを構築するとされているが、どのような施策を考えているか。
高橋知事 本道経済の多様な担い手である中小企業をはじめ、公益法人やNPОなど幅広い事業者に対して新分野への進出や経営革新、事業再生など多様な事業資金を円滑に供給する仕組みが必要と考えている。経営・再生支援の強化や担保・保証人に依存しない融資ニーズの高まりを踏まえ、信用保証協会や金融機関、さらに市町村と連携して幅広い事業者ができるだけ利用しやすい、新たな金融支援方策を検討していく。

集落営農の育成強化と法人化推進を積極的に
十二、食料・農業・農村基本計画について

1、担い手の育成確保について
(1)認定農業者の育成について
内海議員 認定農業者は、市町村によって認定の考え方や認定状況に大きな差がある。こうした状況が改善され、積極的な認定が図られるよう道としても取り組みを強化すべきだ。
高橋知事 「北海道担い手育成総合支援協議会」の活動を通じて、取り組みが遅れている市町村に対して認定の一層の促進を働きかけ、ガイドラインに即して弾力的に運用が図られるよう指導している。こうした取り組みを一層強めていく。
(2)集落営農の育成と法人化の推進について
内海議員 小規模農家も含めた集落営農の育成に関し、道としてどのような対策を講じようとしているのか。農業経営法人化についても、これまで以上に積極的な推進が必要ではないか。
高橋知事 「北海道担い手育成総合支援協議会」において、他府県や道内先進事例の紹介などを通じて、地域の実情に応じた集落営農の組織化を促進している。農業経営の法人化についても、今後とも協議会の活動として積極的に取り組んでいく。

2、地産池消の推進について
内海議員 地域によって地産地消運動を総合的に進める行動計画も作られているが、もっと積極的に取り組むべきと考えるがどうか。
高橋知事 年内策定予定の「北海道食の安全・安心基本計画」の中でも具体的な施策を盛り込む。今後、農家による直売やファームインなどのアグリビジネス手引書の作成や学校給食、観光産業などにおける道産農林水産物の一層の活用促進、農業を広めるためのフォーラムの開催、北海道米の食率向上に向け、私自身テレビコマーシャルにも出て道民に直接PRしたい。

3、パワーアップ事業について
内海議員 土地改良事業推進の道単独事業パワーアップ事業は本年度で終了するが、農家の人たちから継続を要望する声が強い。これにどう応える考えか。
高橋知事 今後とも計画的に農業基盤整備を推進していく必要があるので、その効果的な方策について検討していく。

前期対策を踏まえて今後はどう対処するか
十三、中山間地域等直接支払制度について

内海議員 前期対策における実施結果をどう評価し、今後はどう対処されようとしているのか。
麻田副知事 耕地放棄地の発生防止、農業生産活動の活性化、地域農業・農村の多面的機能の確保など、集落での取り組み活発化に対する評価を受けている。今期対策についても、地域要望を十分に把握し、対象農用地の重点化を図るとともに、国に対して知財措置の充実を要望するなど適切に対処していく。

存廃の判断はいつか徹底的な情報開示を
十四、道営競馬事業について

内海議員 知事の付属機関である「北海道地方競馬運営委員会」は、一定条件付で「存続が適当である」との建議を行うとのことだが、赤字を解消する改善策はあるのか。経営実態について徹底した情報開示が必要と思うが、存廃の判断時期と併せてその考えを聞きたい。
高橋知事 運営委員会からの建議や道議会の論議を踏まえ、北海道競馬の役割や今後の見通しなどを総合的に検討し、本年度中に判断する。

北の森づくりなど森林整備を推進せよ
十五、 森林整備について

内海議員 本道の森林整備状況の現状をどう認識しているか。また、道単独の「21世紀北の森づくり推進事業」を含め、今後の森林整備にどう取り組んでいくか。
高橋知事 十八年度税制改革に向けて、市町村等関係機関と十分連携して、環境税の創設などにより森林整備に必要な財源確保を強く働きかけるとともに、道州制モデル事業の活用による公共事業費確保や道単独事業の重点化などによる効率的・計画的な北海道の森林づくりをしっかり推進していく。

IQ制度を徹廃すれば本道水産業には大打撃
十六、水産物IQ制度について

内海議員 水産物の輸入量に上限を設けるIQ制度が撤廃された場合、本道の水産業は大打撃を受ける。この堅持について、知事の見解を伺いたい。
高橋知事 撤廃によって本道の沿岸漁業や漁村地域の健全な発展に大きな影響が出るものと懸念している。このため、IQ制度を堅持した秩序ある水産貿易体制の確立を国に要望してきたが、十二月の香港閣僚会議に向け、生産者団体や関係自治体と連携しながら、制度の維持について不退転の覚悟で交渉に臨むよう、国に強く働きかけている。

職員給与の適正化に今度こそ襟を正して
十七、給与の勧告等について

1、人事院勧告への対応について
内海議員 本年度の国家公務員給与の勧告が出され50年ぶりの大改革が示されたが、こうした人事院勧告を踏まえ、本年度の道職員給与勧告について、どのように対処されようとしているのか。
泉川人事委員長 国の人事院勧告の内容に十分留意するとともに、民間の給与、他府県の職員給与など給与決定に関連する諸事情について慎重に検討していく考えだ。

2、給与の適正化について
内海議員 本来、公平中立な第三者機関であるべき人事委員会が、任命権者や職員団体に配慮した結果、国の水準を上回る独自の取り扱いによる給与制度ができ、再三の適正化についての指摘にも改善されてこなかった。道財政が危機的状況にある時、道自ら早急に襟を正すべきだ。給与の適正化の状況をどう認識し、どう対応しようとしているのか。
高橋知事 退職時の特別昇給、新規採用者の初任給、へき地・特地部局勤務者の昇給短縮措置などは16年度をもって廃止、初任給基準の一号俸高や特地部局等指定基準も見直しを進めている。今後、国の「地方公務員の給与のあり方に関する研究会」の最終報告を踏まえ、検討していく。