今回の三位一体改革は道政へどう影響するか
(4)三位一体改革について

1.「全体像」批判の理由について
 
布川議員 梶原全国知事会長は60点と採点したが、高橋知事は「地方六団体の提案と乖離し、不十分な内容」と批判している。その理由を伺いたい。
 
高橋知事 義務教育国庫負担金など個別負担金の具体的内容が示されず、全体的に不明確な部分が多いこと、地方案にない国民健康保険の新たな負担が盛り込まれたこと、税源移譲に結びつかない交付金化が含まれ、地方6団体が提案した多くの国庫補助事業が存続されたことなどによる。

2.今後の行動について
 
布川議員 真の地方分権につながる改革推進のため、今後どのような行動を取る考えか。
 
高橋知事 地方が一致結束して対応することが必要。単に地方への負担転嫁にならないよう、平成19年度以降の改革の道筋を明らかにするよう知事会などで主張していく。

3.道政に及ぼす影響について
 
布川議員 その全体像の帰趨が、道政にどのように影響を与えると認識しているか
 
高橋知事 財政健全化に取り組む道や市町村の財政運営に影響を生じると考えられる。自ら財政再建に努力することは当然だが、国の財政再建のみを優先した一方的な地方交付税削減が行われないよう、対等の立場で議論していく。

自衛隊の大幅削減で地域の活性化低下へ
(5)新たな「防衛計画の大綱」の影響について

 布川議員 梶財務省は道内における自衛隊の現定員4万3,000人、38駐屯地を1万3,000人、8駐屯地まで削減するよう試算しているが、そのまま実施されたら地域の活力低下につながり、自治体の防災計画も根本的な見直しを迫られる。どう対応していくか。
 
高橋知事 災害時の支援や各種行事への協力、人口減少による街づくりや地域経済への影響などが大きい。全道挙げて「駐屯地の存続などを求める地域の意向を十分踏まえ、その影響を最小限にとどめるよう」に関係機関などに要望している。

プーチン大統領の二島返還論への対応
(6)北方領土問題について

 布川議員 プーチン大統領が、日本が平和条約に応じれば二島を返還するとけん制している。知事はどう受け止めているか。
 
高橋知事 「北方四島の帰属問題が解決して、平和条約を締結する」というわが国の基本的な立場を堅持して、外交交渉に当たっていただきたいと考えている。

システム構築機能や効果的運用の体制を
(7)科学技術の振興について

1.「リサーチ&ビジネス構想」の体制づくりなどについて
 布川議員 この鉱脈の採掘、精錬により新産業、新事業の創出につなげていくため、研究開発から事業化までの一貫したシステムを構築する機能や、システムを効果的に運用する体制づくりが肝要ではないか。
 
高橋知事 研究開発支援機能の充実、事業化支援機能、地域連携協定締結に努めてきたが、さらに総合的調整機能を担う事業推進体の具体化を検討したい。

2.試験研究機関の機能強化について
 
布川議員 今後、さらに道立研究機関相互の連携促進や、コーディネート機能の強化を図り、総合力を発揮させるために、どのような方策を考えているか。
 
高橋知事 研究機関評価を踏まえ、今後の道立試験研究機関のあり方に関する検討を進めている。総合的なマネージメントやコーディネート機能を一層機動的に発揮し得る体制づくりに向け、年内にその方向性を明確にしたい。

給与の適正化へ何をどう是正する?
(8)人事委員会の勧告等について

1.給与の適正化について
 布川議員 道においては、国家公務員との均衡上、是正が必要なものとしてどのようなものがあるか、また、是正についてどう考えているか。
 
高橋知事 勧告を受けて(1)退職時の特別昇給(2)初任給の上積み措置(3)特地部局勤務者にかかわる昇給短縮措置(4)特地部局等の指定基準―などについて、廃止を含めて見直しを進める必要があると判断している。道民の理解が得られるよう不断の見直しが必要であり、職員団体と協議を重ねながら早期に結論を得たい。

2.研修の方針について
 
布川議員 時代の変化に対応した政策形成能力や、職務遂行能力の向上を図る研修の充実に、どう取り組んでいくか。また、一部市町村職員の研修機能について今後どうする考えか。
 
原田総務部長 地方公務員法改正や人事委員会報告を踏まえ、計画的な人材養成を行うため、年度内に基本方針を策定する。市町村研修事業は、総務業務再構築戦略に基づき、具体的に検討しているが、自治政策研修センターに受託している研修事業のあり方についても市長会、町村などとともに検討を進める。