中長期的な雇用対策の策定を

2、道政上の諸課題について

(1)平成21年度当初予算について

1、当初予算編成について
船橋議員 わが党は極めて厳しい本道の経済状況に十分配慮した予算編成を申し入れたが、どのような考え方で当初予算を編成したのか。

高橋知事 「経済」「暮らし」「環境」の三つの分野を政策の大きな柱に位置付け、メリハリを効かせた政策づくりに努めた。経済・雇用対策では、雇用のセーフティネットの充実、中小企業に対する融資枠の大幅拡大などを図り、地域経済の活性化に向けた施策づくりにも力を注いだ。市町村、道民と一体になり厳しい経済状況を乗り越えたい。

2、雇用対策について
(1)当面の雇用対策について
船橋議員 21年度は雇用機会の創出や就業の促進にどう取り組むのか。

高橋知事 雇用関連の基金を最大限活用するとともに、地域特性を活かした新たな雇用の創出、企業と求職者のマッチングなどさまざまな視点から新たな施策に取り組み、雇用対策に全力を傾ける。

(2)学卒者の就業対策について
船橋議員 今春の高卒者の就業状況は、未内定者が約3000人に上り、大学・短大でも多くの未内定者がいる。21年度に向けてどのような対策を講じるのか。

高橋知事 関係機関と連携した就職面談会の開催、ジョブカフェ北海道での就職支援サービスの提供、地域共同就職支援事業の活用などで若年者の雇用対策に積極的に取り組む。

(3)中長期的な雇用対策について
船橋議員 安定的な雇用機会の創出や就業促進のため、産業政策を含め中長期的な雇用対策を講じるべきだ。

高橋知事 中小企業や農林水産業の体質強化を図るほか、新事業・新産業の創出、ものづくり産業やIT、バイオ、環境産業などの振興をはじめとした産業政策にしっかり取り組む。施策の不断の見直しを行いながら、雇用環境の創出に万全を期す。

3、収支見通しについて
船橋議員 行財政改革の加速化などを道財政にどう反映し、どのように21年度の収支見通しを立てたのか。

高橋知事 内部管理事務の一元化の推進、公の施設の民間移管による維持運営費の縮減など加速化に向けて最大限努めた。21年度の収支見通しは中長期収支試算と最終的な収支不足額について差異がなく、国直轄事業負担金の一部について計上を留保し、収支の均衡を図った。

4、道債残高について
船橋議員 予算編成後の26年度末道債残高はおおむね5兆円程度になり、目標が達成されたとしている。目標については今後もこだわるのか。

高橋知事 これまで設定していた残高目標の目的や趣旨を見失わないためにも、今後とも新規道債発行の抑制に取り組む。

5、今後の経済対策について
船橋議員 GDP実質成長率が大きく落ち込む中、道内経済、雇用への積極的な対応が必要だ。国の緊急経済対策の実施にあたっては、地方負担が可能な限り生じないように国へ強く求めるべきだ。

高橋知事 雇用対策や中小企業金融対策を切れ目なく展開し、時機を失することなく、適切に対応する。地方財政負担の軽減や十分な財源措置が行われることが極めて重要であり、国へ強く働きかける。

再就職要綱の適用基準はなお検討を

(2)行財政改革について

1、職員数適正化計画について
船橋議員 職員数適正化計画の改定案では、平成26年までに約6,800人を削減するとしているが、目標達成のために採用の抑制、組織の見直しにどう取り組むのか。

高橋知事 内部管理や企画部門などで道が単独で取り組み1―2年で速やかに見直すベもの、地域に与える影響を考慮しながら可能な限り早期に見直すべきもの、道民の生命・安全に影響を与える恐れがあり、道民の十分な理解を得ながら見直しに着手するもの―に区分して取り組む。

2、組織機構の見直しについて
船橋議員 どのような施策の実現を目指して、組織機構の見直しにあたったのか。

高橋知事 地域主権型社会の実現に向けて新たな総合計画の各施策を着実に推進する必要がある。本庁の政策立案機能や地域に対するサポート機能を強化する必要があり、知事政策部と企画振興部を統合して「総合政策部」を設置する。

3、道職員の再就職要綱の見直しについて
(1)見直しの考え方について
船橋議員 要綱が適用される団体の基準については、なお検討が必要だ。

高橋知事 監査委員による監査を行うことのできる基準や、現在の「準ずる団体」の基準などにも十分留意しながら、早期の実施に向け検討を進める。

(2)在職期間の制限について
船橋議員 団体役員の在職年齢は年金満額受給年齢である65歳に引き下げるべきだ。

高橋知事 今後、上限年齢を引き下げる方向で検討する。

4、道職員の採用について
船橋議員 現下の厳しい雇用情勢に対応して、この1―2年の間は職員数適正化計画の期間内に見込んでいる採用分を前倒しするべきではないか。

高橋知事 北海道で安心して働ける場を少しでも多く提供できるよう、今後の職員採用のあり方を検討したい。

5、人事管理について
(1)精神及び行動の障害を持つ職員への対応について
船橋議員 「精神及び行動の障害」で療養している職員に関し、早い段階から人事当局が職員の状況を把握し、必要な措置を講じるべきだ。

高橋知事 人事部門と健康管理部門が連携し、1カ月以上の長期療養を要する職員については、適切な対応を早期の段階から行えるよう新たな人事管理上の取り組みを進めたい。

(2)病気休暇等の取り扱いについて
船橋議員 道の制度は「精神及び行動の障害」等の場合、民間企業よりも優遇されており、休職期間長期化の一因とも考えられる。休暇や休職に関する制度を見直すべきだ。

高橋知事 国の制度に準じた見直しを年度内に行いたい。

6、試験研究機関の地方独立法人化について
(1)法人の機能の充実について
船橋議員 道民生活の向上と道内経済の発展のために、知的財産の活用に関する機能、ワンストップ窓口の設置、分野別横断型研究の推進を図るべきだ。

高橋知事 企業からの相談などに迅速に対応できる窓口、産学官の橋渡し機能の整備を行うとともに、分野別横断型研究に取り組むなど法人機能の充実を図っていく。

(2)地域経済への配慮について
船橋議員 物品の調達にあたっては地元産業を活用する必要があると考えるが、見解は。

高橋知事 必要な物品や業務委託などについては、各研究機関において調達できる仕組みにする。
(3)組織体制の見直しについて
船橋議員 法人の効果的・効率的な運営を図るためには、中長期的な視点に立ち、統廃合をも視野に入れた組織体制の見直しに取り組むべきだ。

高橋知事 法人化後の中期目標に、法人業務の実施状況や拠点のあり方の検証、業務内容の見直しによる事務処理の効率化などを位置づけ、中長期的な組織体制の見直しを促していく。

計画の承認を判断すべきだ

(3)プルサーマル計画について

船橋議員 有識者会議から「安全性は確保される」との報告があり、議会論議が重ねられ、地元四町村の事前了解が2月28日に示された。知事としてプルサーマル計画承認を判断すべきと考える。

高橋知事 立地地域の意向は大変重いものと考えている。地元の意向、有識者会議の提言や議会論議などを総合的に勘案し、北電のプルサーマル計画を安全協定に基づき事前了解することとし、近く北電に対し正式に文書で回答したいと考えている。

人道支援の中止に対する認識は

(4)北方領土について

船橋議員 北方四島の住民に対する人道支援物資の供与が、「出入国カード」の提出というロシア側の一方的な手続きの変更で中止になった。道はどのように認識しているのか。知事は年内にも北方四島を訪問したいとのことだが、どのように考えているのか。

高橋知事 ロシア側の対応は四島に対する日本側の法的立場から受け入れることができない。今後のビザなし交流や北方領土墓参、自由訪問の実施にも影響を与えかねず、誠に遺憾だ。早期に事態の打開が図られることを期待している。両国政府間の協議による「出入国カード」問題の解決が図られた中で、ぜひとも北方領土訪問を実現したい。

APEC招致にどう取り組むか

(5)ポスト・サミットの取り組みなどについて

船橋議員 APEC開催に向けて2月3日に関係省庁による現地調査が行われたが、道はどのように取り組んでいるのか。

高橋知事 札幌市での開催に向け、札幌市、道議会、経済団体が一丸となって総理官邸や関係省庁に働き掛けを行っている。充実したコンベンション機能、国際会議開催のノウハウ、環境と経済が調和した地域社会づくりの取り組みなど、本道の特徴を積極的に発信して、開催の実現に向け官民一体で取り組む。

訪中の成果をどうとらえているのか

(6)中国との経済交流について

船橋議員 1月下旬の北京訪問の成果をどうとらえているのか。関係部局の連携強化とともにオール北海道での取り組みが重要だが、どう進めるのか。

高橋知事 道産品のPR、政府関係機関との間の人脈形成、相互理解など今後の交流を進める上での基礎を築くことができた。この成果を踏まえ、庁内関係部局からなる「国際化推進会議」、経済団体などで構成する「輸出促進連絡協議会」で、商標登録に向けた具体的検討を行うほか、北京の情報拠点の来年度中の整備を検討する。

出先機関の統合に対する受け止めは

(7)地方分権改革について

1、国の出先機関の見直しについて
船橋議員 地方分権推進委の第二次勧告は、道開発局などを地方工務局と地方振興局に統合するように求めている。この見直しをどう受け止めているか。

高橋知事 道開発局は本道開発に大きな役割を果たしてきた。見直しにあたっては機能分担や事務・権限のあり方が重要になる。北海道開発の意義や必要性、開発予算の一括計上や北海道特例といった枠組みの堅持などについて、政府など関係方面にしっかり主張する。

2、国道、河川の権限移譲について
船橋議員 国道、河川の権限移譲についてどのように取り組んでいくのか。

高橋知事 分権改革推進本部で整理した道独自の考えに基づき、具体的な移管の協議対象を定めた道素案を取りまとめ、全道市町村から意見を聞く。移管の前提条件として、整備や維持管理の水準の確保、財源措置が確実に講じられるよう国に申し入れをしてきた。

地域の理解を得る方策を示すべきだ

(8)支庁制度改革について

船橋議員 「総合振興局設置条例」の本年4月施行は難しい状況にある。支庁制度改革は待ったなしであり、地方4団体や地域の理解を得る努力を進め、方策を示すべきだ。

高橋知事 十分な理解を得られていないなど反省すべき点もあった。できるだけ早い時期に地方4団体と改めて会い、お互いの考え方についての理解を深め、改革がよりよいものとなるように努める。

地域振興条例の今後の取り扱い

(9)地域振興条例について

船橋議員 地域振興条例の今後の取り扱いについてどう考えているのか。

高橋知事 今定例会の冒頭提案は、支庁制度改革との関連を含め、さらに検討する必要があるので見送った。市町村や地域と連携・協働して地域の課題解決と活性化に取り組むため、できるだけ早期の施行を目指す。

小規模自治体に関し国へ提言を

(10)小規模自治体のあり方について

船橋議員 市町村合併が進んでいない中、小規模自治体が全国でも多い状況を踏まえ、あり方を早急に検討して国へ必要な提言、要望をすべきだ。

高橋知事 来年度から広域ブロック単位で定期的に地域での意見交換会を開催するなど、地域との意見交換を積み重ねて効果的な方策を検討し、道州制特区提案制度を最大限に活用して国へ提案するなど取り組んでいく。

定住自立圏構想で市町村に助言を

(11)定住自立圏について

船橋議員 総務省の定住自立圏構想は地域振興の有効なモデルだ。道も圏域の組み合わせや連携業務などの方針を定め、市町村へ助言を行うべきだ。集落支援員制度も活用すべきだ。

高橋知事 この構想の理解を広めるため、想定される道内各市との意見交換や説明会を開催してきた。今後とも市町村に助言を行うなど、道内での検討が積極的に進められるように努める。集落支援員制度については、制度が本道でも積極的に活用されるようにしっかりと取り組む。

新千歳空港発着枠に対する対応は

(12)航空行政について

1、新千歳空港の深夜早朝発着枠の拡大について
船橋議員 発着枠の拡大にについてどう受け止め、どう対応するのか。

高橋知事 羽田空港の再拡張事業なども見据え、国際拠点空港として新千歳空港の機能強化を図ることは大変重要。このためには発着枠の拡大などに取り組み、空港機能の一層の充実・強化を図る必要がある。取り組みを進めるためには、空港周辺住民の理解と協力が何よりも大切と考えており、地域協議会の開催に向けて調整を進めている。

2、国内航空の運航について
船橋議員 日本航空と全日空は21年度運航計画で九路線の廃止・減便を発表した。本道観光にとって一層厳しい状況をもたらすので、見直しを求めるべきだと考える。

高橋知事 運航計画の見直しや路線の再開について、道が中心になって粘り強く働き掛けたい。本道観光の観光振興に全力を挙げて取り組み、本道の航空路線の維持・確保に努めたい。

工事費の増加にどう対応するのか

(13)北海道新幹線について

船橋議員 整備方式について今後どのように取り組むのか。新函館〜新青森間の工事費が計画額より900億円増となる可能性があると道に伝えられたとのことだが、どう対応するのか。

高橋知事 経済効果を最大限に発揮させるためには、札幌までのフル規格での整備、全線開業が必要であり、実現に向けて全力で取り組む。今後、国から建設費の増加要因や財源手当てについて具体的に説明がある予定である。説明をしっかり聞いて対応する。

環境貢献事業者にメリットの付与を

(14)環境問題について

船橋議員 道は温室効果ガスの削減など環境に配慮し、優れた取り組みを行っている事業者を「環境貢献事業者」として知事が認定する制度の創設を検討している。経済的なメリットも含めインセンティブが働くような制度が必要だ。

高橋知事 この制度では、取り組み内容のPRや認定のシンボルマークの使用に加え、金融機関による低金利の融資なども制度に盛り込むことを考えている。今年度中に登録部門から段階的に運用を開始するなど積極的に取り組む。

必要な医師らをどう確保するか

(15)ドクターヘリについて

1、体制の整備について
船橋議員 ドクターヘリが新年度から釧路・根室圏と道北圏に配備される見通しだが、円滑に運航するために必要な医師、看護婦はどのように確保するのか。

高橋知事 フライトドクターについては、基地病院となる救命救急センターの医師のほか、医育大学や地元医療機関の協力も得ながら、必要な人数の確保が見込まれている。フライトナースも必要数の確保が見込まれている。

2、遠距離地域の対応について
船橋議員 釧路・根室圏と道北圏の全域をカバーするためには中継基地が必要だ。自衛隊基地を活用するなどして遠距離地域に対応すべきだ。

高橋知事 遠距離地域や離島などへの出動は、給油基地を確保した上で救急車とヘリが合流、救急患者を医療機関に搬送後に給油して基地病院に戻るなどの方法がある。自衛隊基地の活用などを含め、運航体制や円滑な救急医療の確保に努める。

3、他の圏域について
船橋議員 今回の配備でカバーしきれない地域にはどう対応するのか。

高橋知事 地方で初の導入になるため、十分に検証・評価を進め、未整備圏域の救命医療機能や救急搬送状況も把握しながら、本道の航空医療体制のあり方について検討する。

24時間体制をどう整備するか

(16)周産期医療について

船橋議員 新年度予算には3カ所のNICU整備費が計上されている。医師、看護師などの24時間体制を整えなければならないが、どう対応するのか。

高橋知事 道央圏でNICUを増床する。21年度に整備する天使病院、北海道社会保険病院、日鋼記念病院の地域周産期センターは24時間態勢で医師や看護師が確保できる見通し。4月からは周産期救急搬送コーディネーターを札幌市と共同で配置する。

医育大の定員増を国へ要請せよ

(17)医師確保対策について

1、医育大学の定員増について
船橋議員 国は大学医学部の定員を「過去最大程度まで増員」するとし、21年度の道内医育大学の定員は合計327人と決まった。19年度に比べ27人増だが、過去最大の340人にはまだ13人不足している。国へさらなる増員を求めるべきだ。

高橋知事 人口10万人あたりの医学部入学定員数でみると、全国平均を下回っている。北大医学部、旭川医大と協議しながら、国へ強く働き掛ける。

2、札幌医科大学の運営と施設整備について
船橋議員 札幌医大の定員を道内国立大学の過去最大定員と同じ120人とし、超過勤務手当を含め、必要な人材に係わる人件費の確保に努めるべきだ。

高橋知事 道内国立大学の過去最大の定員数を考慮しながら、できるだけ早期に方向性を示す。教育環境や定員数にあわせた施設整備も検討する。医師の時間外勤務手当については、現在、学内にプロジェクトチームを設置して調査を行っており、札幌医大で適切に対応すべきものと考えている。

3、医師派遣について
船橋議員 20年度の道内の公立病院に対する医師派遣状況は、12月末現在で延べ70人程度要請に対し半数程度だ。新年度に道内国立医育大学に地域医療支援センターの開設を考えているが、どの程度の医師派遣を見込んでいるのか。

高橋知事 21年度は旭川医大から最大6人の医師派遣を見込んでいる。地域医療を担う医師養成のために、奨学金の貸付枠の拡充、道外からの医師の招へいなど各般の施策に取り組み、地域医療の確保に向け最大限の努力をする。

4、社会医療法人について
船橋議員 厚生労働省の法人認定要件はへき地診療所だけでなく、医療過疎が深刻な地域にある病院への派遣実績対象とするなど、地域の実情に見合ったものであることが必要だ。

高橋知事 本道は市町村内で唯一の病院・診療所でもへき地診療所と同様の役割を担っている。これらに対する医師派遣も実績として認めるように国へ働きかけ、診療所については認める方向で検討されている。

悪化する中小企業金融への対応は

(18)中小企業金融対策について

船橋議員 景気の急速な悪化で、道内の中小企業は大変厳しい経営環境に置かれているが、金融面でどのように対処するのか。

高橋知事 原油・原材料高騰対策特別資金や景気変動対策特別貸付の取り扱いを継続した。セーフティーネット貸付は融資限度額の倍増し、融資期間を延長した。21年度の制度融資の新規融資枠は、3資金の1600億円を含め、対前年72.4%増の2500億円を措置した。今後とも中小企業経営の安定に向けて金融の円滑化に全力で取り組む。

北海道ブランドの信頼向上の方策は

(19)農業問題について

1、食料・農業・農村基本計画について
船橋議員 国は食料・農業・農村基本法に基づく基本計画を見直すが、道も必要な施策を国へ提案しなくてはならない。

高橋知事 農政部内に検討チームを設置し、本道の実態に即した検討を進めている。今後、「北海道農業・農村確立連絡会議」における論議を踏まえ、本年6月を目途に国に対する政策提言を取りまとめる。

2、稲作の振興について
船橋議員 道産米は、評価を築き上げた北海道ブランドの信頼をさらに高める方策が必要だ。

高橋知事 今年の秋から一般販売される「ゆめぴりか」は道産米のさらなる評価の向上に貢献できる品種として期待が高まっている。府県産のトップレベルに匹敵する高級ブランド米となるように全力を挙げたい。

3、野菜の生産振興について
船橋議員 「野菜価格安定事業」は平成18年度からの3カ年間、交付予約数量の増量が凍結されている。今後この事業をどのように進めるのか。

高橋知事 21年度以降の取り扱いについて新たな枠組みを検討している。この結果を踏まえ、21年度産から設定した作付指標を農業団体とともに推進し、本道野菜の一層の生産振興に努めたい。

5、鳥インフルエンザ対策について
船橋議員 渡り鳥の季節を迎え、野鳥や養鶏場に対する監視を強化する必要がある。どのように対応するのか。

高橋知事 2月に愛知県で鳥インフルエンザの発生が確認され、関係部局の情報共有を図るとともに、養鶏場に防疫対策の徹底を改めて周知した。関係機関などと十分な連携を図りながら対応に万全を期したい。

磯焼け対策で地域が情報交換を

(20)水産問題について

船橋議員 後志管内泊村で藻場再生の試験的取り組みを行っているが、その結果をどう評価しているのか。各地で磯焼け対策が行われているが、産学官の連携強化、お互いの情報交換を行い、地域に適した有効な対策に取り組むべきだ。

高橋知事 後志管内泊村で栄養塩の添加による静穏海域における藻場の再生試験を行ってきた。磯焼け対策に有効な手法と考えており、21年度から3カ年計画で檜山管内上ノ国町でも実証実験に取り組む。磯焼け対策を総合的に検討する組織を立ち上げ、地域間連携や産学官の連携を強化し、日本海地域の磯焼け対策に取り組む。

森林環境政策は幅広く財源確保を

(21)林業問題について

1、新たな森林環境政策について
船橋議員 厳しい経済情勢を考慮して、新たな森林環境政策の実施に当たっては税の新設だけに限らず幅広く財源の確保に努めるべきだ。

高橋知事 間伐や植林については、国の経済対策の「非公共間伐事業」や「雇用対策」などを活用して21年度から事業を進める。「新たな森林環境政策」は多様な財源で進めることを素案にまとめ、できるだけ早い時期に示したい。

2、林業再生の取り組みについて
船橋議員 わが会派は昨年12月に人工林資源の管理や道産材の付加価値向上、地域から信頼される林業事業体の育成について知事に提言した。今後の林業施策にどう反映させるのか。

高橋知事 伐採・造林に関する計画量の設定や業界独自の原木利用のルールづくりなどに取り組んでいる。21年度からは新たにカラマツの高付加価値化を図るために建築用材への転換に対して支援を行う。

最低制限価格制度は見直すべきだ

(22)建設業の振興についいて

1、建設業の現状認識について
船橋議員 北海道経済の一翼を支える建設業の疲弊は、地域の深刻な影響をもたらすが、知事の認識をうかがう。

高橋知事 道内の建設投資額は平成5年度をピークに半減し、営業利益も12年度以降低下傾向にある。金融機関の融資の審査も厳格化し、資金繰りの悪化も懸念され、地域主要産業の1つである建設業を一段と厳しい経営環境に置くことになる。

2、建設業の振興等について
船橋議員 契約額に関わる最低制限価格制度は見直すべきと考える。

高橋知事 国土交通大臣から低入札価格調査基準価格の見直しを検討するという発言があった。国の動向を十分注視しながら、道内建設業の置かれている状況や厳しい雇用環境を踏まえ、最低制限価格の引き上げなどの見直しを検討するなど、道内建設業の健全な発展に努めたい。

3、地元企業への優先発注などについて
船橋議員 地域の活性化のため、公共工事の地元建設業者への優先発注を考慮すべきだ。

高橋知事 入札の執行に当たっては、工事の規模に応じて地域内に本社がある企業に限定するなど、入札参加の地位要件を定めている。経常JVを活用する場合も地元中小建設業者の受注機会の確保を図っている。