トヨタ関連企業への対応は

1、道政上の諸課題について

(1)景気動向などについて

千葉議員 日本の景気低迷は長引くとの観測が強まっているが、現下の道内経済をどうとらえているのか。トヨタの減産方針にどう対応するのか。

高橋知事 本道経済は有効求人倍率や個人消費が全国を下回って推移し、昨年秋以降の原油の高騰は、多くの産業活動や道民生活に大きな影響を与えている。最近の世界的な金融市場の混乱で、本道の中小企業の金融環境に対する影響が懸念される。全国に比べ景気回復が遅れている本道経済は、さらに厳しい状況に直面している。
  自動車関連の地場企業への影響もみられることから、地域の雇用維持・安定、特別労働相談の実施、雇用危機対応プログラムの発動など、きめ細やかに対応する。

新年度政策への取り組みは

(2)平成21年度予算編成について

1、財政運営の基本的な考え方について
千葉議員 厳しい財政下であっても景気への配慮が不可欠だ。財政運営の基本的な考え方をうかがう。

高橋知事 「新たな行財政改革の取り組み」に沿って予算編成方針を示した。厳しい道内経済や景気動向などに配慮し、限られた財源の効果的、効率的な配分に最大限意を用いた財政運営に努める。

2、新年度の政策づくりについて
千葉議員 来年度の政策づくりにどのように取り組むのか。

高橋知事 組織のスリム化、フルコスト評価の徹底、関与団体の見直しなど、徹底した行財政改革に取り組む。その一方で、国際会議の誘致、観光情報の発信、「北海道麦チェン運動」といった産業振興策、ドクター・ヘリ導入、地域医療体制づくりなど、メリハリを効かせた政策展開になるよう最大限努力する。

職員数は何人の体制にするのか

(3)―1 職員数適正化計画について

千葉議員 知事は現行計画の13,600人をさらに減少させる考えを示しているが、具体的に何名体制にするのか。

高橋知事 平成26年度末までに試験研究機関の地方独立法人化に加え、4,800人程度の退職者が見込まれることや現在の採用数を継続すると仮定した場合、現行計画の削減目標に千人程度の上乗せになると見込まれる。改定計画で年次別、各機関の推計値を明らかにしていきたい。

本庁みずからが抜本的な改革を

(3)―2 本庁組織の見直しなどについて

1、本庁組織の見直しについて
千葉議員 道民サービスの提供のためには、本庁自らが抜本的な改革に取り組むべきだ。

高橋知事 道政を取り巻く重要課題に効果的に対応するため、来年度に向けて政策機能の充実化を図るとともに、政策・企画部門と地域振興部門の一元化などそのあり方の成案を得たい。

2、道民生活の充実について
千葉議員 道民が安心安全で豊かな生活を営むことができる社会の実現に向け、道庁も組織のあり方を見直すべきだ。

高橋知事 消費者行政の一元化に向け、道民生活の総合的な窓口として「くらし安全局」を設置するなど、充実強化に向けて鋭意検討する。

医師不足対策に研究手当増額を

(4)人事委員会の勧告等について

1、勧告の取り扱いについて
千葉議員 人事委員会は月例給と期末・勤勉手当の据え置き、勤務時間の短縮などを勧告したが、どう取り扱うのか。

高橋知事 月例給と期末・勤勉手当は据え置くが、医師や獣医師の手当引き上げ、勤務時間の短縮などについては、勧告の趣旨を尊重することを基本にして、内容を十分精査・検討する。

2、医学研究調査手当について
千葉議員 道立病院の医師不足は深刻化している。対策として初任給調整手当の引き上げはもとより、独自の医学研究調査手当の増額も図るべきだ。

高橋知事 初任給調整手当の引き上げは現在検討を進めている。医学研究調査手当も医師確保の諸施策に併せ、来年度に向け十分検討する。

三セクの経営改善に助言を

(5)第三セクター等の改革について

千葉議員 市町村が抱える第三セクターへの損失補償などの状況をどう認識し、市町村へどう助言していくのか。

成田企画振興部長 札幌市を除く道内市町村が損失補償を行っている第三セクターは、平成19年度末で37団体、約290億円ある。債務保証を行っている土地開発公社は45団体、約728億円。存廃も含め経営改善策を積極的に助言していく。

関与団体は根本的見直しが必要

(6)関与団体について

千葉議員 公益法人など関与団体の見直し計画について、根本的な見直しが必要だ。

高橋知事 公益法人などに対する補助金や職員の派遣については、必要性について十分検討し、適切に対応する。関与団体見直し計画の新たな策定にあたっては、抜本的に見直し、スピード感を持って取り組む。

不適切執行へどう対応するか

(7)―1 公共工事事務費の不適切執行について

千葉議員 会計検査院の平成14年度から18年度までの検査結果に、北海道分6,029万円の公共工事事務費の不適切執行があった。どのように対応するのか。

高橋知事 指摘を受けたことは大変遺憾だ。会計検査の対象とされなかった19年度分を独自調査している。速やかに再発防止に向けた必要な措置を講じるなど、適正な執行に努める。

本道の自衛隊は現行体制維持を

(7)―2 自衛隊の体制堅持について

千葉議員 防衛大綱の見直しと次期中期防衛力整備計画の策定で、本道の陸自の大幅な削減が予想される。現行体制を維持すべきだが、見解をうかがう。

高橋知事 大幅な削減があれば、国防上の問題はもとより災害発生時、地域経済など影響は計り知れない。私自身が先頭に立ち、自衛隊の体制や機能が維持されるように国へ強く働きかける。

有識者会議報告の受け止め方は

(8)プルサーマル計画について

1、安全性について
千葉議員 泊3号機のプルサーマル計画の安全性について、妥当であり安全性は確保されるという有識者検討会議の最終報告(案)が出された。この案についてどう受け止めているのか。

高橋知事 知事と地元4町村長に提言される最終報告を踏まえ、道議会の議論や地元4町村の意向を十分尊重して、総合的に判断する。

国際会議誘致は組織充実が必要

(9)ポスト・サミットの取り組みについて

千葉議員 国際会議の誘致や開催を支援する組織の充実が必要であり、取り組みを効果的に進めるため、どのように北海道を発信・アピールしていくのか。

高橋知事 「太平洋・島サミット」(占冠村)や「G8水と衛生に関する」(帯広市)の開催が決定した。「APEC・アジア太平洋経済協力首脳会議」や「環境モデル都市国際シンポジウム」の誘致活動に取り組む。世界を視野に入れた、国内外への積極的な発信が重要であり、インパクトのある発信方法などについて早急に検討し、知名度がさらに向上するように努める。

国の出先機関の移管への認識は

(10)第2次地方分権改革について

1、国の出先機関移管について
千葉議員 政府の地方分権改革推進委員会の第2次勧告では、二重行政を排除するためにほとんどの国の出先機関の移管が予定されている。移管をどう認識しているのか。

高橋知事 出先機関の見直しにあたっては、国と地方の役割を明確にした上で、権限と財源が一体的に移譲されることが基本。今後の勧告や政府の対応を踏まえて、地方6団体とも連携して適切に対処する。